(※写真はイメージです/PIXTA)
住宅資金贈与の「非課税枠」に対する親の意識
「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」は、平成21年の本格開始以降、経済状況に合わせてその限度額を大きく変動させてきました。平成21年に500万円だった非課税限度額は、平成22年には最大1,500万円に。平成31年から令和3年にかけては、最大3,000万円という極めて高い非課税枠が設定されていました。令和4年以降は、省エネ等の良質な住宅に対しては1,000万円、一般住宅に対しては500万円が非課税枠となっています。
国税庁『令和5年分申告所得税標本調査』によると、住宅取得等資金の非課税制度を利用した贈与は、年間で6.2万件にのぼり、贈与額は1件あたり770万円となっています。実際に相当な額を贈与している実態を垣間見ることができますが、この「非課税で渡せる上限額」という数字が、親世代にとっては「子のために出すべき目安」として機能してしまい、自身の老後資金を過剰に削ることもあります。
「長男に援助したときは、年の差があったこともあり、次男を意識することはありませんでした。相続なども考える年齢になって“遺す側”として意識するようになると、兄弟格差はまずいと思うようになりました」と義明さん。公平性を重視するあまり、少々無理な拠出を行う結果となりました。
無理な贈与は、将来的に介護や葬儀の負担を子に負わせる結果になりかねません。非課税枠の多寡に惑わされず、まずは自分たちの老後の収支を最優先に確保する姿勢が大切です。
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