(※写真はイメージです/PIXTA)
つながりの消失…定年後の男性を襲う孤独
加藤さんのように、経済的な基盤がありながらも社会との接点を失い、戸惑うシニア世代は少なくありません。内閣府が発表した『孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)』の結果からは、特に60代男性が直面しやすい孤独の構造が鮮明に浮かび上がってきます。
調査によると、日本全体の約4割が何らかの孤独感を抱えていますが、60代男性に限るとその合計は約36.5%に達します。現役時代は「会社の役職」という肩書きがあり、仕事を通じた人間関係が豊富にあったはずですが、会社を離れた途端にそのつながりは途絶えがちになります。
実際に、現在の孤独感に強く影響を与えた出来事として「退職」を挙げた人は14.7%に上り、仕事という大きな居場所を失った喪失感が孤独への入り口になっていると言えるでしょう。
孤独が深刻な問題となるのは、いざという時に頼れる人がいない「孤立状態」に陥った時です。調査では、困った時に頼れる人がいないと答えた人のうち、孤独感を強く感じる割合は21.5%に達し、頼れる人がいる人と比べて圧倒的に高くなっています。
男性の不安や悩みの相談相手を年代別に見ると、若い頃は多くの人が友人や知人に相談できていますが、60代男性になるとその割合は48.8%にまで低下します。会社関係の付き合いが減る一方で、地域の友人や新しいコミュニティでの人間関係をうまく築けていない実態がデータからも浮き彫りになっています。
また、お金と孤独の間にも無視できない関係があります。経済的に「大変ゆとりがある」と答えた層でも4.6%が強い孤独感を感じており、これは「普通」と答えた層よりも高い数値です。どれだけ十分な老後資金を持っていたとしても、人との関わりが途絶えてしまえば、孤独感は音もなく忍び寄ってくるのです。
定年後の孤独を防ぐためにはどうすればいいのか。調査によると、社会活動に参加している人は孤独感を感じる割合が低い一方で、60代男性の45.3%が特に活動に参加していません。豊かな老後を過ごすためには、人とのつながりは必要条件です。趣味のサークルや自治会、ボランティアなど、会社という一つの組織に依存せず、新しい居場所を持っておくことが、定年後の生活に彩りを添えてくれます。
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