50歳以上になると、毎年誕生月に届くねんきん定期便の内容が変わり、年金の受給をより具体的に考えられるよう、受取方法による受給額の比較などが記載されます。しかし、そこに表示されている受給額がそのまま受け取れるかというと、そうとは限りません。特に、60歳以降も働き続けている場合、実際の支給額が大幅に少なくなるケースも。本記事では、Aさんの事例とともに、「在職老齢年金」や「特別支給の老齢厚生年金」といった年金制度の注意点について社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
じゃあ、ねんきん定期便に書いてある「114万円」はなんだったのか…年金受給手続きを行った67歳再雇用の男性、ガッカリ。「9万円」しか支給されなかったワケ【FPが解説】
働き続ける人ほど知っておきたい「年金」の落とし穴
繰下げ待機している人のなかには、在職老齢年金の仕組みにより、せっかく繰り下げていても実際には増えた実感が得られないケースもあります。その点、Aさんは65歳以降は給与が下がっているため支給停止がかからず、70歳以降に受け取る年金は全額支給される見込みです。
働きながら年金を受け取る人が増えたことから、基準額が月28万円だった時代(令和2年3月まで)は、多くの人が支給停止に落胆していました。これまで、この年金が減額になる基準額は、就労意欲を損なわないよう47万円、50万円、51万円と段階的に引き上げられてきました。そして、令和8年4月からは、65万円へと大幅に引き上げられました。このように、在職老齢年金の基準額(支給停止調整額)は原則として毎年見直されます。高齢期に働く人が増えているため基準額も上昇傾向にありますが、給与が高い人や繰下げ待機中の人は注意が必要です。
Aさんが働き続けたことで特別支給の厚生年金に影響が出たように、一つの制度を活用することで、別の関係なさそうにみえる制度にも影響が出る可能性があります。「思っていたのと違った」と落胆しないためには、ライフプランの変更に合わせた都度確認が欠かせません。
〈参照・出典〉
■日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html
■日本年金機構「老齢年金ガイド」
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03.pdf
■日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html
■日本年金機構「老齢年金ガイド」
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03.pdf
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
共同代表
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