「親には、不自由のない余生を過ごしてほしい」と願うのは、子として自然な感情でしょう。しかし、良かれと思った選択が、必ずしも親の幸せに繋がるとは限りません。経済的な豊かさや利便性の提供が、時に親の「生きがい」を奪ってしまう可能性もあります。ある女性の後悔から、真の親孝行の在り方を考えます。
「お義母さん、ごめんね…」42歳嫁の懺悔。年金月15万円・78歳義母が遺した日記帳に「綴らなかった本音」 (※写真はイメージです/PIXTA)

経済的支援=親孝行とは限らない

私たちはつい、経済的に豊かであること、利便性を高めることが最善の親孝行だと考えがちですが、統計から見える高齢者の心理的側面は少し異なります。

 

内閣府『高齢者の生活と意識に関する調査』によると、「生きがいがある」と回答した高齢者は7割超。その内容としては、家族との関係や地域とのつながり、日常生活の中での役割が多く挙げられています。経済的な条件だけでなく、「自分が社会や生活の中で役割を担っている」という実感が、生活の充実感を支えている実態がうかがえます。

 

また同調査では、「現在の住まいに住み続けたい」と考える高齢者は6割以上にのぼり、住み慣れた環境を維持したいという志向の強さが確認されています。環境の変化は、単なる利便性の問題にとどまらず、大きな心理的負担になる可能性もあるわけです。

 

節子さんは、月15万円という限られた予算の中で家計をやり繰りすることに、自身の存在意義を見出していたといえるでしょう。

 

厚生労働省『令和6年度 国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯の55.8%が程度の差はあれ、生活苦を訴えています。このことから「経済的支援こそ親世代が求めていること」と考えがちですが、残る4割は「生活に余裕がある」または「普通」と回答しています。収入の多寡だけが生活の満足感に繋がっていない可能性がうかがえます。

 

大切なのは、経済的な数字や設備の豪華さではなく、本人が何に価値を置いているのかという「生活の矜持」を理解すること。自治体の相談窓口やケアマネジャーも「本人ができることを奪わない自立支援」に重きを置いています。

 

金銭的な援助を申し出る前に、まずは本人が「何に価値を置いているか」「今の生活のなかにどのような自由を見出しているのか」などを丁寧に聞き取ることが、親孝行への第一歩になります。

 

 

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