Aさんの違和感の正体

しかしAさんは、当時3ヵ月だけ勤めていた会社(Y社)があったことを思い出します。

「短期間だったし、厚生年金には入っていなかったかもしれない……でもこれ、空白期間のままで大丈夫なのかな?」

気になったAさんは、同封されていた「年金加入記録回答票」に会社名(Y社)などを記入し、日本年金機構に年金記録の調査をしてもらうことにしました。

日本年金機構から届いた「まさかの回答」

すると調査の結果、空白期間だった3ヵ月の厚生年金加入記録(Y社)が新たに見つかったというのです。

3ヵ月分とはいえ、Aさんの加入記録が増えることになります。その分65歳から受け取る老齢厚生年金は年間数千円ほど増える計算です。

「しっかり確認してよかった」と安堵したAさんですが、増えるのはたった数千円です。

「もっと増えないものか……」

Aさんはさらに受給額を増やせないかどうか、最寄りの年金事務所へ相談に行きました。

ねんきん定期便だけではわからなかった年金の“伸びしろ”

59歳時点の定期便に記載されている年金受給見込額は、「60歳になるまで現在の条件で加入し続けた場合」の金額です。そのため、60歳以降の年金加入分は反映されていません。

Aさんは65歳まで働く予定とのこと。よって、60歳から65歳までの厚生年金加入期間が増えれば、その分年金も増えることになります。

年金事務所の職員いわく、「Aさんの場合、65歳まで勤務を続ければ受給額は年間10万円以上増えそう」とのこと。また「給与や賞与次第では、20万円近く受給額が増える可能性もある」と説明を受けました。

さらに、厚生年金は70歳まで加入できるため、「65歳以降も働いて厚生年金に加入すれば、その分さらに増えますよ」と助言を受けました。

「たしかに、ねんきん定期便には『60歳までの現在の加入条件による見込額』と書いてあるな。そうか、頑張ればまだまだ増えるのか……」

ねんきん定期便に記載されていた「空白期間」をきっかけに記録を見直し、年金の増やし方を知ったことで、将来に少し希望を持てたAさんでした。