住宅ローンを完済すれば、老後の生活は安定する――そう考えて資金計画を立てる人は少なくありません。実際、大きな固定費がなくなることで、家計に余裕が生まれるケースもあります。しかし、持ち家である以上、建物の維持や修繕は避けて通れません。その費用への備え方によっては、完済後に新たな負担を抱えることもあります。
「こんなはずじゃなかった…」〈年金29万円・退職金2,800万円〉60代夫婦、安心の老後設計が崩壊…原因は住宅ローン完済後に発覚した「床下の異変」と「再借入れ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローン完済を束の間、新たに借り入れ

しかし、時間が経つにつれて家計の余裕は少しずつ失われていきます。固定資産税や保険料といった支出に加え、細かな補修や生活費も重なりました。

 

「返済がある分、やはり生活のゆとりは減っていきました」

 

総務省統計局『家計調査 家計収支編 2025年平均』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、可処分所得が月22万1,544円に対し、消費支出は月26万3,979円。平均で月4万2,434円の赤字となっています。

 

「うちも、気づけば同じような状況になっていました」

 

実際、老後に住宅ローンやそれに類する借入れを抱えるケースは、決して珍しくありません。金融経済教育推進機構『家計の金融行動に関する世論調査 2025年』によると、世帯主が60代の世帯で「借入金がある」のは14.3%、70代世帯では6.7%。借入れの目的は「住宅の取得または増改築のための資金」が最も多く、借入れのある60代世帯の45.9%、70代世帯の34.2%を占めています。

 

持ち家は資産である一方で、維持や修繕に継続的な費用がかかるという側面があります。重要なのは、その費用を「現金で支払うか」「借入れで分散するか」という判断です。老後における借入れは、現役時代とは意味合いが異なります。収入が増えないなかで返済が固定化されるため、家計の自由度を大きく下げる要因になりやすいからです。
そのため、住宅にかかる支出については「払えるかどうか」ではなく、「その負担を継続しても生活に余裕を保てるか」という視点で考える必要があります。

 

住宅ローンの完済はひとつの区切りですが、住まいにかかる費用はその後も続きます。老後の資金計画においては、その前提をどこまで織り込めているかが、家計の安定を左右するポイントになるといえるでしょう。

 

 

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