正解はないが「やってはいけない投資手法」はある

ここまでシミュレーションをしてきましたが、どちらが有利かは相場の変動によって変わるため、結論としては「どちらでも良い」です。深く考えすぎずに、最初から「一括投資」または「積立投資」で運用すると決め、それを貫くことをおすすめします。

このとき、唯一やってはいけないのが「中途半端な折衷案」を選ぶことです。

たとえば、一部を一括で投資し、残りを待機させて「上がったら売却・下がったら追加投入」という柔軟対応を取る方法は、一見合理的に見えるかもしれません。しかし、現実にはタイミングの判断が極めて難しくなります。

「今が底か」「まだ上がるか」という迷いが常につきまとい、結果として相場に振り回されることになるでしょう。

投資で重要なのは、相場に振り回されないこと。そのためには、最初に決めた戦略を実行し続けることを意識してください。折衷案は自ら判断の機会を増やし、振り回されやすくするリスクがあります。

投資で「後悔しがちな人」の特徴は…

投資でもっとも後悔しやすいのは、「終わったあとに正解探しをする人」です。

一括投資で下落したら「積立にすればよかった」、積立で上昇したら「一括にすればよかった」などと、過去を振り返ればたしかに投資は簡単に思えるかもしれません。

しかし、その瞬間の判断は誰にとっても困難です。投資の目的は、お金を増やし、より豊かで幸せな人生を歩むこと。後悔を繰り返すのではなく、選択した道を前向きに進め、どの選択をしても「それなりにプラスになる」と考えられる戦略を選ぶことが、長期投資で成功するための心構えだといえるでしょう。

鳥海翔
株式会社Challenger代表取締役
FP(ファイナンシャル・プランナー)/投資家