会社で求められている成果を上げているわけでもないのに、なぜか辞めない人。陰では「妖精さん」などと揶揄されることもある──。しかし、50代後半の会社員にとって「会社に残る」という選択には、実は明確な理由がある場合もあります。年収、退職金、そして老後資金。数字を冷静に見てみると、「しがみつく」という行動が、実は極めて合理的な判断になることも……。FPの三原由紀氏が詳しく解説します。
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誰にどう思われようと構いません…年収600万円・大手企業の57歳平社員、「会議でお菓子ポリポリ」やる気ゼロでも絶対に辞めない。定年まで会社にしがみつく“冷静な戦略”【FPの助言】
「会社にしがみつく」という一つの戦略
もちろん、田中さんのように露骨にやる気のない態度を取ることは、職場の同僚に対して決して好ましいものではありません。社会人としての振る舞いとして、疑問を感じる人も多いでしょう。
しかし一方で、田中さん側の視点に立てば、「もはや評価なんて気にしない」「それでも、しがみつく」ことも、一つの戦略なのです。
それは「何も考えずに残る」ことではありません。数字を確認した上で、自分の意志として「残る」を選ぶこと。その能動的な判断が、老後資金を守ることにつながっています。
「なぜ、この人は辞めないのか」
そう疑問に思う場面に、職場で出くわすこともあるかもしれません。しかし、その裏には、周囲からどう見られるかよりも、生活と老後資金を守ることを優先する。そんな冷静な判断が隠れている可能性があります。
逆に、あなたが周囲の視線を気にして転職や退職を考えている立場であれば、一度立ち止まって「その決断が老後資金にどんな影響を与えるのか」を確かめてみるべきでしょう。
三原 由紀
プレ定年専門FP®