(※写真はイメージです/PIXTA)
「奨学金のせいで…」彼女の父親からの予期せぬ猛反対
「まさか奨学金のせいで、あんなに責められるなんて……でも、彼女の言葉に救われました」
中堅メーカーで営業として働くTさん(28歳)。現在の年収は約440万円です。私立大学に進学するために、日本学生支援機構から約400万円の奨学金を借り、社会人になってからは毎月約2万円の返済を自力で続けています。
Tさんには、大学時代から交際している同い年の彼女がいます。お互いの仕事も落ち着いてきたことから、結婚を決意し、彼女の実家へ挨拶に向かいました。
最初は和やかな雰囲気で進んでいたものの、将来の話になった際、Tさんが奨学金を返済中であることを正直に打ち明けました。その途端、彼女の父親は顔色を変えて、こういい放ちました。
「君、まだ300万円も借金があるのか。そんな男に大事な娘をやるわけにはいかない。結婚するなら全額返し終わってからにしなさい」
彼女の父親の厳しい言葉に、Tさんは頭が真っ白になりました。Tさんの実家は決して裕福ではなく、親に奨学金の返済を肩代わりしてもらうことは不可能です。かといって今の貯金で一括返済することもできず、Tさんは黙り込んでしまいました。
彼女の覚悟に思わず涙
帰り道、Tさんは「お父さんのいう通りだ。僕と結婚したら苦労をかけるかもしれない」と彼女に弱音を吐いてしまいました。
しかし、彼女の反応はTさんの予想とはまったく異なるものでした。
「親がなんといおうと気にする必要ないよ。私はあなたの借金だなんて思ってないから」
彼女はTさんの顔を真っすぐ見て、そう断言してくれました。二人は大学の同級生であり、Tさんが学費と生活費を稼ぐために深夜までアルバイトをしながら、少しでもいい成績を残そうと必死に勉強していた姿を、彼女は誰よりも近くで見てきたのです。
「あなたがどれだけ真面目に勉強して、今の仕事に就くために努力してきたか、私は全部知ってる。そのための奨学金なんだから、少しずつ返していけばいいじゃない。親の意見で私の気持ちが変わることはないよ」
その力強い言葉に、Tさんは思わず涙ぐんでしまったそうです。現在、彼女は両親を少しずつ説得しながら、Tさんと一緒に将来の生活設計を立て直しています。
奨学金という重荷が二人の関係を壊すことはなく、むしろ学生時代から苦楽をともにしてきた二人の絆を、より一層強くするきっかけとなったのです。