将来の不安から手元資金がカツカツになるまでNISAに投資してしまう「NISA貧乏」が、若者の間で問題になっています。Aさん(28歳)も、給料の大部分を投資に回し、交際費を削った結果、友人たちから距離を置かれてしまいました。数十年後の資産形成と引き換えに、今を犠牲にして節約生活を続ける20代男性の事例を紹介します。
年金なんて、あてにならない…NISAで月10万円投資する〈手取り26万円〉28歳男性、極端な節約生活の代償は「誰からもLINEが来ない毎日」 (※写真はイメージです/PIXTA)

今の生活を犠牲にせず資産形成するには

Aさんのように、将来への不安から過度に資金を投資へ回し、日々の生活や人間関係が貧しくなってしまう、いわゆる「NISA貧乏」が若年層で増加しています。

 

金融庁の「NISA口座の利用状況調査」によると、2025年12月末時点でNISAの口座数は約2,825万口座に達し、前年比10.4%増となりました。非課税制度を活用した資産形成が、若い世代にも急速に広がっていることがわかります。

 

一方で、若者のリアルな懐事情は少し窮屈になっているようです。SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の「20代の金銭感覚についての意識調査」では、20代のお小遣いの平均は3万4,605円で、前回調査より2,491円減少しています。生活費以外に使っている金額も1万6,827円と2,200円減少しました。その反面、貯蓄額の平均は69万円と13万円の増加を見せています。

 

物価高も相まって、交際費や娯楽費を削ってでも将来への備えに回す若者の姿がデータからも読み取れます。資産形成の意識が高いことは素晴らしいですが、過度な節約は精神的な余裕を奪い、孤立を招く危険性があります。

 

投資は未来を豊かにするためのものですが、20代の今しかできない経験や友人との交流にお金を使うことも、人生における重要な投資といえます。NISAを利用する際は、現在の生活の満足度を落とさない適正なバランスを見極めることが大切でしょう。

 

[参考資料]

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社「20代の金銭感覚についての意識調査 2025」

金融庁「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点(速報値))」