ドラマでよく見る、ピーッと音がして心電図モニターの波形が一直線になり、脈拍が0になるシーン。実際に人が亡くなる現場において、ドラマのような状況は一例に過ぎません。本記事では、高島亜沙美氏著・西智弘氏監修『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(KADOKAWA)より、「人が亡くなったあと」のリアルに迫ります。
ドラマでは描かれない「ご臨終」のあと…日本で「死亡してから24時間は火葬してはいけない」理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

死亡確認のリアルな現場

この死亡確認、ご家族をはじめ本人を大切に思われている方々に囲まれた状態でおこなうのが望ましいとされています。

 

別れの場に同席することで別れを実感できること、悲しみや悔しさであってもそのときの感情を表出することは、遺された人たちにとってもポジティブな効果があると考えられているんです。場合によっては、親族が揃うまで数十分〜3時間ほど別れの時間を設けることもあります。

 

心臓が止まった時間=死亡時刻ではない

死亡時刻も、心臓が止まった時間だと思われている方が多いと思いますが、厳密には医師が死亡を確認した時間となります。そのため、遠方からの親族到着を待って家族全員揃ってから死亡確認し、その時間を死亡時刻とする、ということも往々にしてあります。心臓が止まった時間=死亡時刻ではない、ということです

 

死に際に家族がそばにいられないときは…

くわえて、高齢社会の昨今です。高齢者のキーパーソンも高齢者、というパターンも増えてきています。夜中や早朝にその時が来てしまい、今から来てくださいと言われても、タクシーに乗ることすらままならない人もいます。そんなときは、こちらで死亡確認させていただくこと、処置やケアも終わらせてしまうこと、明るくなってから病院にいらしてほしいこと、できたらそのときに予め葬儀社さんと打ち合わせしておくと、ご遺体をそのまま搬送してもらえるので二度手間にならないこと、などを電話でお伝えし了承を得ることもあります。

 

どうしても死に際にそばにいたいという人もいるでしょうが、こんな時間にそんなことを言われてもこちらだって仕事や生活があるし困るという人もいます。どちらも、等しく正しいと思うのです。

 

 

高島 亜沙美

看護師/保健師