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入居後に跳ね上がった「月額40万円」の請求書
東京都内の大手メーカーに勤めていた佐々木昭雄さん(79歳・仮名)と、妻の節子さん(76歳・仮名)。定年後は長年暮らした社宅を出て、都内の賃貸マンションに住み替えました。
5年前には将来を見据え、介護付有料老人ホームへの入居を決断。当時の佐々木さんの手元には、退職金と長年の積み立てによる約7,000万円の貯金がありました。
「入居時の説明では、夫婦2人で月々28万円ほどで収まると聞いていました。私たちの年金でちょうど賄える計算でしたし、多少の持ち出しがあっても貯金があるので一生安泰だと考えていたんです」
佐々木さんは、整理されたファイルから当時の契約書類を取り出して説明します。入居当初は自立に近い状態だったため、支払いは予定通りに進んでいました。
しかし、2年前に節子さんが脳梗塞を患い、退院後に「要介護3」の判定を受けてから状況が一変しました。
「施設に戻ってから、毎月の請求額が段階的に上がっていきました。直近の請求は、2人合わせて42万円です。月々の年金だけではまったく足りず、毎月14万円を貯金から補填しています」
佐々木さんが見せてくれた利用明細には、基本料金以外に複数の加算項目が並んでいます。「夜間見守り加算」「個別対応加算」、さらに施設独自の設定による「上乗せ介護費用」です。
「要介護度が上がると、スタッフの手がかかるようになるから、その分のお金が必要だと説明されました。夜中に何度も様子を見に来てもらったり、食事の介助をしてもらったり。本当に助かっています。ただ、まさかこれほど金額が変わるとは思っていませんでした」
佐々木さんは、毎月減っていく通帳の残高を確認するのが習慣になってしまったといいます。
「貯金が想定以上に減っていく……今は本当に最悪の状況です。節子だけでなく、もし私まで要介護の状態になったら、この貯金はあと何年持つのか。不安が募るばかりです」