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高齢者世帯の資産状況と「投資」への意識変化
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査 令和5年』によると、70代の現在保有している金融商品は、「預貯金」を除き最も多いのが「株式」で全体の39.1%。「投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む)」が26.8%、「個人年金保険」17.5%と続きます。さらに(金融資産保有世帯の)金融資産保有額をみていくと、70代の平均値は2,188万円。一部の富裕層が平均を押し上げている側面があり、中央値で見ると1,100万円まで下がります。
【70代の金融資産保有額(金融資産保有世帯に限る)】
・500万円未満:27.6%
・500万~700万円未満:7.7%
・700万~1,000万円未満:7.2%
・1,000万~1,500万円未満:12.7%
・1,500万~2,000万円未満:8.2%
・2,000万~3,000万円未満:9.1%
・3,000万円以上:24.3%
※無回答3.2%
高齢者における投資意欲は、年年上昇傾向にあり、同調査の令和元年(2019年)では、「株式」の保有割合は22.0%でした。5年ほどで17ポイントも上昇しています。
その背景として、金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」に端を発した、いわゆる「老後2,000万円不足問題」があるでしょう。老後不安が広がるなか、“貯蓄から投資へ”の流れを加速し、家計の資産形成を支援するNISA制度も広く浸透し、高齢者にとっても投資は身近になりました。
高齢者は「今から投資を始めるのは遅いだろうか……」と思いがちですが、年金を補完する安定的な収入、インフレに備えた資産の目減り防止、将来の医療・介護費用への備えとして、ひとつの選択肢ではあります。
しかし、高齢者が現役世代と同じ発想・手法で投資を始めるのは危険であり、生活費・緊急資金には絶対に手を付けないことが大前提。「資産を大きく増やすこと」ではなく、「生活の安定を補完すること」を目的に、「シンプルかつ、低リスク」を最優先することが不可欠です。