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「想定外の追加費用」が家計を圧迫…最新調査から見る介護費用の現実
佐藤さんのように、親の介護費用が想定を上回り、現役世代が資金を捻出するケースは珍しくありません。
株式会社LIFULL senior/LIFULL 介護『介護施設選び経験者の実態調査2026 -お金編-』によると、入居一時金の負担者について「入居者本人のみ」と回答した人は30.7%に留まりました。一方で「入居者本人+家族・親族」という回答は約6割に達しています。
特に入居者と「お子様」が共同で負担する割合(28.9%)は高く、現役世代である子どもの収入や資産が、親の介護費用に充てられている実態が浮き彫りになっています。また、月額費用のボリュームゾーンは「10万〜20万円台」が約7割を占めていますが、今回の事例のように30万円を超えるケースも15.8%存在します。
さらに注目すべきは、入居前に想定していなかったことの第1位が「想定外の追加費用が発生する(34.0%)」であるという点です。
【親の老人ホーム費用…注意すべき追加費用の例】
●医療機関への送迎・付き添い費用
●買い物代行などの生活支援サービス
●おむつの廃棄費用やレクリエーション費
●想定以上の水光熱費や食費の変動
「月額利用料」として提示されている金額が安くても、個別のオプション費用が積み重なることで、結果的に佐藤さんのように月額30万円近い請求になることは決して珍しくありません。
介護破綻を防ぐためには、「高額介護サービス費制度」などの公的扶助を正しく活用すると同時に、最新の調査結果にあるような「目に見えにくい追加費用」を事前に精査することが不可欠です。
■高額介護サービス費制度
同じ月に支払った介護保険サービスの自己負担額が、世帯合算で一定の上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。所得区分によって上限は異なりますが、一般的な所得層であれば、月額4万4,400円が上限の目安となります(※施設での食費・居住費などは対象外)。
「親の介護は、親の資産の範囲内で行う」のが鉄則です。子どもが身を削って仕送りをするのではなく、地域包括支援センターなどに相談し、世帯分離による負担軽減策や、より安価な特別養護老人ホーム(特養)への転所を検討しましょう。早い段階で「継続可能な介護計画」へ切り替えることが、自身の老後を守る有効な選択肢になります。
[参考資料]
株式会社LIFULL senior/LIFULL 介護『入居一時金の負担者は「本人のみ」が3割の一方で「入居者本人+家族・親族」が6割、入居前に想定していなかったこと1位は「想定外の追加費用」』