高齢者の生活を支える公的年金。しかし受給額が少なく、生活苦に陥っているケースが少なくありません。ある女性のケースから、困窮極める高齢者の暮らしをみていきます。
助けてください…手取り8万円・76歳女性の絶望。生活保護は却下、大寒波到来で凍死危機「寒くて、もうダメかもしれない」 (※写真はイメージです/PIXTA)

低年金で生活苦に直面する高齢者 

都内在住・加藤春子さん(76歳・仮名)。夫は小さな工務店を営んでいましたが、10年前に他界。現在は、わずかな遺産と月8万円ほどの年金で生活しています。

 

「主人が亡くなったとき、蓄えも多少はありましたし、何とかなると思っていたんです」

 

総務省『家計調査家計収支編2024年平均』によると、単身高齢女性の1ヵ月の支出は約16万円。加藤さんは持ち家のため、家賃といった固定費はかかりませんが、それでも年金だけで生活するのは難しい状況です。毎月2万~3万円を貯金から取り崩しています。5年ほど前までは働いていたそうですが、足を悪くしてからは、とても仕事に出られる状態ではありません。

 

【単身高齢女性の1ヵ月の平均支出】

支出:155,923円

(内訳)食料:41,220円

住居:13,141円

光熱・水道:14,631円

家具・家事用品:7,323円

被服及び履物:4,581円

保健医療:9,222円

交通・通信:15,184円

教養娯楽:15,624円

その他の消費支出:34,997円

 

「貯金がどんどん減るので、できるだけ切り詰めて生活しています。冬はやっぱり暖房代がばかになりませんから、家にあるだけの布団や毛布にくるまってじっとしています。それでも寒くて寒くて。この前、寒波が来たときは、もうダメかなと思いました」

 

厚生労働省『令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均年金受給額は150,289円、国民年金では平均59,310円。一方、年金受給額の分布をみていくと、加藤さんのように月8万円以下の年金受給者は、厚生年金受給者でおよそ200万人。国民年金受給者と合わせると、非常に多くの高齢者が月8万円未満の低年金状態で生活しています。

 

資産背景はそれぞれなので一概に言えませんが、生活に困窮している高齢者は相当数にのぼると考えられます。