低金利期には、多くの家庭がマイホームの夢を叶えました。返済負担を抑えるため、もっとも金利の低い変動金利を選ぶ人も少なくありませんでした。しかし金利が上昇しはじめたいま、その選択が家計にじわじわと影響し始めているようです……。事例をみていきましょう。
不安でたまりません…世帯年収650万円の30代夫婦、「埼玉の果て駅」に14坪・狭小住宅をフルローンでぎりぎり購入も、買ってから判明した「予想外の恐怖」に絶体絶命 (※写真はイメージです/PIXTA)

都内の賃貸に限界を感じた夫婦

リョウタさん(仮名/34歳)と妻のハルナさん(仮名/31歳)は、息子のノゾムくん(仮名/3歳)と都内の賃貸住宅に暮らしていました。

 

リョウタさんの仕事は、ジムのインストラクターです。勤務時間は不規則で、帰宅が22時を過ぎることも珍しくありません。年収は450万円、派遣勤務の妻の年収とあわせ、世帯年収は650万円です。その日も夜遅く家に着くと、玄関先でハルナさんがいいました。

 

「ねえ、もう限界。引っ越そう。家買おう」

 

聞けば、下階に住む住人から「子どもの泣き声と足音がうるさい」とクレームがきたというのです。

 

前々から、「子どもが生まれたらマイホームが欲しいね」と話し合っていた2人。しかし、理想の家を買うには貯蓄が足らず、先延ばしになっていたのでした。ただでさえ子育てを妻に任せがちな状況のなか、涙ぐむ妻をみて、リョウタさんは決心しました。

 

「わかった。家探すよ」

 

とはいえ、2人の年収では、手に入るマイホームにも限りがあります。必死に調べるうち、埼玉県の郊外に手が届く家をみつけました。最寄り駅は始発駅。早速妻に報告します。

 

「ローン組んで、返済額が月10万円くらいならいけるかな」「え! それくらいの負担で家買えるんだ。いいじゃん!」

 

そして2人は、14坪・3階建て(1階はほぼ駐車場)、諸費用込みで約4,200万円近いマイホームを購入することにしました。自己資金ゼロ、35年のフルローンです。

 

「よかったね。ちょっと狭いけど、3階建てってワクワクするし、私たちにぴったり」

 

喜ぶ妻の顔をみて、リョウタさんもひと安心です。しかし……。

予想外の「金利上昇」に青ざめる2人

購入からしばらく経ち、世の中の金利情勢が変わってきました。日銀の政策変更により、買った直後に上昇トレンドに入ってしまったのです。ただちに返済額が見直されるわけではないものの、「もう1人子どもが欲しい」と考えているハルナさんは、気が気ではありません。

 

「派遣の仕事増やそうかな? まだノゾムも小さいけど、このままじゃ……」「いやいや、無理すんなよ。でも……金利ってこんなに上がるものなのか。せっかく家買えたのに、不安になってきた」

 

今後の状況に、夫婦は頭を抱えています。