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墓じまいで後悔しやすい3つのケースと対策
お墓を継いで守っていくことが難しい現代、佐藤さんのように墓じまいをされる人が増えています。厚生労働省「衛生行政報告例」によると、改葬(お墓の引越し)の件数は年間15万件を超え、10年前と比較しても約2倍に増加しています。
しかし、墓じまいについて十分に理解しないまま進めたことで、トラブルになることも珍しくありません。墓じまいで後悔しやすい3つのケースをみていきましょう。
墓じまいを進める上では、家族や親族、お寺などへの相談が不可欠です。主な後悔の事例は下記の3つのケースです。
1.墓じまい後に親族の理解が得られなかった
お墓は家族や親族全員に関わりのあるものです。佐藤さんの事例のように、親族への相談が遅れると、感情的な対立を生み、絶縁にまで発展することがあります。 まずは、お墓を守る負担(年間管理費、往復の時間、体力的な問題)を具体的に伝えるとともに、「分骨」などの折衷案を提案するのも一つの手です。
2.お寺との関係が悪くなった
寺院墓地の場合、長年お世話になった住職への相談をおろそかにすると、高額の離檀料を請求されるなどのトラブルに発展することがあります。「報告」ではなく、まずは「相談」という形で、これまでお墓を守ってくれた感謝を伝えながら事情を説明しましょう。
3.想定よりも費用がかかり予算を超えてしまった
墓じまいの総額は30万~300万円と幅があります。特に墓石の解体だけでなく、新しい納骨先で「納骨人数」によって追加費用がかかる場合、予算オーバーになりがちです。事前にお墓の内部調査を行い、遺骨が何体あるかを確認したうえで相見積もりを取るようにします。
ほかにも、佐藤さんの事例のような「納骨堂の経営破綻」は近年増加しています。また、費用面だけで「合祀」を選び、後から遺骨を取り出せないことに気づいて後悔するケースも少なくありません。
墓じまいは、単にお墓を壊すことではなく、新しい供養の始まりです。これからの世代に「負の遺産」を残さないためには、制度やリスクを正しく理解し、周囲と丁寧な対話を重ねることが何より重要です。