40年間勤め上げた大手商社を定年退職した田中光彦さん(仮名・69歳)は、現在年金月30万円を受給しながら、投資で築いた2億5,000万円の資産を眺めて溜息をついています。「家族も家もある、お金が足りないという心配もない。なのに悩みが尽きない……」。同じような思いを抱えている方もいるかもしれません。FPの青山創星氏と一緒に、その心の奥底を探りながら、本当に豊かな老後とは何かを考えてみましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
これ以上増えてどうするんだよ…69歳元会社員、証券口座の残高「1日で50万円増」でも笑顔なし。資産2億5,000万円を持ちながら「苦悩の老後」を送るワケ【FPの助言】
人生の最終章で大切なのは「お金を使う」主導権を握ること
田中さんの悩みから学べるポイントは以下の通りです。
• 資産形成の成功は必ずしも心の満足につながらない
• 資産を目的別(生活・楽しみ・相続)に分類することで心理的負担を軽減できる
• 取り崩しの自動化で「減らす恐怖」を和らげる
• 生前贈与や目的別の非課税贈与制度を活用した段階的な資産移転も有効
• 資産を目的別(生活・楽しみ・相続)に分類することで心理的負担を軽減できる
• 取り崩しの自動化で「減らす恐怖」を和らげる
• 生前贈与や目的別の非課税贈与制度を活用した段階的な資産移転も有効
豊かな老後を送るために築いた資産が、かえって心の重荷になる――これは現代の資産形成成功者が直面する新たな課題といえます。大切なのは、人生の最終章で「お金に使われる」のではなく「お金を使う」主導権を握ることなのかもしれません。
その後、田中さんは一つの決断をしました。来年の古希を家族で祝おうと、妻と息子2人の家族を誘って温泉旅行を予約したのです。3世帯分、しかも思い切ってテレビでよく見る有名な高級宿。交通費を含めれば100万円を軽く超える予算です。
「妻と息子たちはものすごく驚いていましたよ、どうしたんだって(笑)。お金を使う理由ができたら、不思議と気持ちが軽くなりました。これを機に、前向きにどんどん使っていきたい」と田中さんは笑います。
節目や記念日は、貯め込んできた資産を「生きた思い出」に変える絶好のきっかけになります。あなたも、自分なりの「使う理由」を見つけてみてはいかがでしょうか。
ファイナンシャルプランナー
青山創星