投資の本質は「自分らしい豊かさ」の実現にある

では、岡本さんはどう考えるべきなのでしょうか。投資の本当の目的を思い出してみましょう。

岡本さんが投資を始めた理由は「安心できる老後を送りたい」というものでした。その目標は十分に達成されています。月20万円超の年金に加えて3,000万円の資産、それに退職金があれば、平均的な老後生活費(月28.7万円「家計調査報告家計収支編2024年」総務省統計局)を考慮しても、ゆとりある生活が可能です。

仮想通貨投資を完全に否定する必要はありません。ただし、それは「余裕資金の一部」で行うべきものです。重要なのは、自分の価値観とライフスタイルに合った投資スタイルを見つけることです。岡本さんのような堅実派には、リスクを抑えた分散投資こそが最適解なのです。

実際、多くの資産運用のプロフェッショナルも、顧客には「boring is beautiful(退屈こそ美しい)」という投資哲学を勧めています。ギャンブルのような派手さはないけれど、着実に資産を築く。これこそが真の投資の姿なのです。

投資成功の真の尺度は他人との比較ではない

岡本さんの事例から学べるポイントをまとめます。

・投資成功の基準は他人との比較ではなく、自分の目標達成度で測る

 

・リスク許容度に合わない投資は、結果的に失敗につながりやすい

 

・堅実な投資で築いた資産も、立派な成功事例である

 

・仮想通貨などハイリスク投資は、余裕資金の範囲で楽しむもの

 

・投資の本質は「自分らしい豊かな人生」の実現にある

岡本さんが12年間コツコツと積み重ねた投資の姿勢は、決して地味ではありません。それは「継続する力」「冷静な判断力」「家族を大切にする心」という、お金では買えない貴重な資産を築いた証拠です。

どんな投資額であろうと、自分なりのペースで歩んでいることに誇りを持ちましょう。岡本さんのように他人との比較で後悔する前に、自分が心理的なワナに陥っていないか、今一度見直してみましょう。

ファイナンシャルプランナー
青山創星