50代から堅実に投資信託でコツコツ投資を続け、資産を1,500万円から3,000万円まで着実に増やしてきた岡本一さん(64歳・仮名)。年金も月20万円以上受け取れる見込みで、順風満帆の老後設計。しかし、なぜか深い後悔に包まれています。なぜ堅実な投資で成功したはずの岡本さんが後悔しているのか。FPの青山創星氏と一緒に、その心の奥底に潜む感情と、大切な投資の本質について考えてみましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
俺は馬鹿だった…投資で「資産3,000万円」を築いた64歳会社員。年金月20万円超で“勝ち組”のはずが後悔まみれ。原因は同期との飲み会、高笑いとともに突きつけられた「スマホの画面」【FPの解説】
「億り人」の陰に隠された真実
矢崎さんの2億円という数字は確かに魅力的です。しかし、この華々しい成果の裏には、岡本さんには見えない苦悩と代償がありました。
仮想通貨市場の激しい価格の変動を経験した人なら分かるはずです。2017年のバブル、2018年の大暴落、2020年のコロナショック、そして2022年のFTX破綻。矢崎さんは何度も資産の80%以上を失いかけ、夜も眠れない日々を過ごしました。
家族からは「ギャンブルをやめて」と懇願され、時には離婚話まで持ち上がりました。「正直言うと、何度もやめようと思った。でも、損切りできずにずるずると続けてしまった」と矢崎さんは後に回顧。彼の2億円は確かに素晴らしい成果ですが、そこに至るまでの精神的な消耗は計り知れません。
一方、岡本さんの投資生活はどうだったでしょうか。毎月の積立は自動引き落としで設定し、年に1〜2回程度しか残高を確認しませんでした。土日は妻と温泉旅行に行ったり、孫とキャッチボールしたり……。平穏で幸せな日々でした。
統計データを見ても岡本さんは確実に「勝ち組」、しかもゆとりある生活を送ってきました。それなのに、急に「自分は選択を間違えた」と落ち込んでしまう。そこには理由がありました。