シニアの「海外旅行意欲」が高まっている

観光庁「出国日本人数」によると、日本人の出国人数は新型コロナウイルスの影響で2021年に51万人まで激減しました。しかしその後は、2022年に277万人、2023年は962万人、2024年は1,301万人と、急速に回復傾向にあり、2025年はさらに増える見込みです。

若い世代は海外旅行に消極的といわれているなか、シニア世代は「老後の生きがいとして楽しみにしていること」に旅行・レジャーを挙げる人が最も多く、旅行先としては、遠方のヨーロッパを好む傾向にあるようです(※)

(※)株式会社JTB総合研究所「データから見る「長寿時代」におけるこれからの高齢者の旅行について」より

一方、加齢による体力・判断力の低下により、旅行先でトラブルが起こるケースも少なくありません。

葉子さんのような転倒のほかにも、持病の悪化や熱中症、食あたりなど、現地の医療機関を受診することになる場合があります。また、ちょっとしたケガが帰国後に大事になる危険性も高いようです。

シニアが海外旅行を「安心」して楽しむためのコツ

シニアの海外旅行においてトラブルを防ぐためには、安心への備えが欠かせません。

余裕のあるスケジュールを組む

長時間の移動や過密な日程は、思っている以上に体に負担がかかります。

「1日に訪れる観光地を減らす」「休息日を入れる」など、余裕ある旅程づくりが大切です。

シニア向けのパッケージツアーを利用するのも安心でしょう。

海外旅行保険に加入する

補償内容をきちんと確認したうえで加入しましょう。

病気やケガの際の補償だけでなく、身の回りの物の盗難や破損に対しても補償されます。

混雑状況を確認しておく

人気の観光地では、長時間の行列や人混みは避けられません。混雑していると休憩場所やトイレの確保が難しくなるため、あらかじめ混雑を避ける工夫が必要です。

水と食事に注意

生水や生ものから感染症を起こすことがあります。加熱された安全な食事を心がけましょう。

薬の準備

普段から服用している薬は必ず持参しましょう。薬の英語名をメモしておくと、現地での急な体調不良時にも安心です。