孫への支援を行う際の問題と対策

安達さんのようなケースは、珍しくありません。教育費の高騰、共働き世帯の負担増加、そして祖父母世代の資産の存在から、「祖父母の支援を前提とした教育費」となる家庭が少なくありません。とくに問題なのは、支援が“都度”、“行き当たりばったり”で発生することです。

・事前の計画がない

・どこまで援助するかの線引きもない

・終わりのタイミングも見えない

これでは、老後資金は当然削られていきます。息子世帯は助かるかもしれませんが、祖父母が老後破綻のリスクを背負ってしまえば、結局は家族全体の負担になります。老後資金は有限であり、“自分たちの生活を守ること”は、むしろ家族全員の未来のために必要なことです。

だからこそ、孫への支援は「ライフプランの一部」として考える必要があります。その上で注意すべき点は以下の3つです。

1. 支援の「上限」を決める
都度の相談に応じて支援するのではなく、「年間〇万円まで」などあらかじめ枠を決めておく。

2. 支援の「対象」を明確にする
「入園・入学など節目のみ」「お祝い事だけ」など、“なんでもかんでも”ではなく、支援をするタイミングや目的を明確にし、想定していたタイミングで支援を行う。

3. お金以外の支援も立派なサポート
休日に預かる、習い事の送迎を手伝う、勉強の面倒を見る、などの支援も、お金の支援以上にありがたいサポートです。