核家族化が一般的となった昨今、離れて暮らす親とは会えていますか? 電話などでは定期的に連絡をとっていても、直接となると、お盆や年末年始、GWなど、年に数回という人も多いのではないでしょうか。なかには、電話やSNS上での親の「大丈夫」に甘えた結果、後になって後悔……というケースもあるようです。そこで今回、母親の言動を不審に思いコッソリ帰省した43歳女性の事例をもとに、離れて暮らす親子に潜む思わぬリスクと、その回避策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
来るなら言ってよ…ビデオ通話で「画面オフ」にする71歳母、心配した娘が実家に“アポなし”帰省→照れ笑いで出迎えてくれた母の後ろに広がる〈信じがたい光景〉
離れて暮らす親子が1年前から始めた「習慣」
「正直、信じたくなかったです。まさか実家があんなことになっているなんて……」
――都内の会社に勤める鈴木恵美さん(仮名・43歳)は、共働きの夫と2人の子と4人で暮らしています。大学進学を機に地方の実家を出てからは、実家には盆や正月に帰る程度です。
そんな恵美さん、実はここ1年ほど、母・初枝さん(71歳)と月に数回、「ビデオ通話」をすることを習慣にしています。昨年父が亡くなり、一人暮らしになった母が「顔を見ながら話したい」と恵美さんにこぼしたのがきっかけでした。
他愛ない世間話を交わし、子どもたちが休みの日には画面越しに顔を見せ、初枝さんも孫の成長を喜んでいました。通話は1回につき長くても10分ほどでしたから、恵美さんにとってもあまり負担ではなく、いい気分転換になっていました。
ところが、数ヵ月前から、初枝さんがなにかと理由をつけて顔を見せるのを嫌がるようになりました。
「今日は化粧をしていないから」「カメラの調子が悪い」
ならばと、「普通の電話に戻そうか」といっても、「あなたと孫たちの顔は見たいの」と、こちらにはビデオ通話を求めます。
「なにかあったのかな……」
不自然な母の様子が気になった恵美さんは夫に相談のうえ、休みをとって久々に帰省したのでした。
いつもの明るい様子で出迎えてくれた母だが…
インターホンを鳴らすと、しばらくしてドアが開き、普段と変わらぬ様子の母が顔を見せました。
「ちょっとなに、恵美じゃない! 来るなら言ってよ、びっくりした」
いつもの調子に安堵したのも束の間、母の背後に広がる光景を見て、恵美さんは言葉を失いました。