核家族化が一般的となった昨今、離れて暮らす親とは会えていますか? 電話などでは定期的に連絡をとっていても、直接となると、お盆や年末年始、GWなど、年に数回という人も多いのではないでしょうか。なかには、電話やSNS上での親の「大丈夫」に甘えた結果、後になって後悔……というケースもあるようです。そこで今回、母親の言動を不審に思いコッソリ帰省した43歳女性の事例をもとに、離れて暮らす親子に潜む思わぬリスクと、その回避策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
来るなら言ってよ…ビデオ通話で「画面オフ」にする71歳母、心配した娘が実家に“アポなし”帰省→照れ笑いで出迎えてくれた母の後ろに広がる〈信じがたい光景〉
親子の「その後」
この一件を機に、初枝さんはビデオ通話が復活。さらに、復活しただけでなく、2人は家計簿アプリを共有するなどお金を「見える化」する取り組みをスタートさせました。
恵美さん「買ったつもりで貯金して、お金が貯まったら旅行に行こう」
娘からそのように提案を受けた初枝さんは「旅行積立」をはじめ、いまではどこに行こうかと相談するのが新たな楽しみのひとつとなっているそうです。
「あのときはどうかしていたわ……。お父さんがいなくて寂しい気持ちは変わりないけれど、もっとあなたに頼るべきだった。それに、これからの人生も楽しまないとね」
初枝さんは明るく振り返り、新たな人生を前向きに歩み始めています。
住まいは、心の状態を映す鏡であるとよくいいます。離れた土地に住む子どもが親の住まいを定期的に確認することは難しいかもしれませんが、帰省時などにこうした小さな「SOS」のサインを見逃さないことが、親と資産を守る最大の砦となるでしょう。
山原 美起子
株式会社FAMORE
ファイナンシャル・プランナー