週休3日で働くドイツ人の週末の過ごし方
さて、ここでカトリンさん(※)に「週末の過ごし方」について聞きました。
金曜日はお休みなので、土日合わせて「週末が3日間ある」ということになりますが、木曜日の夜はカトリンさんにとって「仕事から離れてホッとする時間」。したがって、木曜日の夜は予定を何も入れないことが彼女のルーティンです。
木曜日の夜に夫とゆっくり過ごし、金曜日の朝、夫は仕事に出かけます。カトリンさんは、この「1人で家にいる金曜日の午前」が幸せなのだとか。基本的に平日の夜も週末も夫と過ごす時間が多く、社交ダンスという夫婦共通の趣味もありますが、社交ダンス以外は夜にお出かけする機会も減り、「夜は家でゆっくり過ごすこと」が好きなのだとか。
「週末に心がけていること」としてカトリンさんは
1.仕事はしない。
2.いつも以上によく寝る。
3.怒るのをやめる
の3点をあげていました。仕事は充実しているものの、やはり仕事でイライラすることもあるそうですが、カトリンさんは、そんな感情を「平日に置いていく」と言っていました。
ほとんどのスーパーは日曜日が定休日
ところで、ドイツでは日曜日、レストランやファストフードなど食産業は営業していますが、スーパーマーケットやデパートなどのお店は閉まっています。ではドイツ人は「日曜日にスーパーマーケットやデパートが閉まっていること」についてどう感じているのでしょうか。
カトリンさんは、「日曜日にお店が閉まっているのは、不便だとは思う。ただ総合的に考えると、日曜日にお店が閉まっているって悪いことばかりではないと思うの。まず(デパートやスーパーマーケットの)従業員にとっては、やっぱり『日曜日に自分たちが働くお店が閉まっていること』は、すなわち『ほかの業種で働いている家族や友達と休みの日が一緒』だということ。一緒に過ごせるのは人間関係を考えると大事なことだと思うわ。それに、人間には『静』の時間が必要だと思うの。日曜日にお店が閉まっていることでドイツでは定期的に毎週『静』の日が訪れるわけで、心身の健康のためにはそういう立ち止まる時間も大事なんじゃないかな」とのことでした。
もとをたどればドイツで日曜日にお店が閉まっているのは、キリスト教の教えに基づいたものです。バイエルン州の祝日を見てみても、10月3日のドイツ統一記念日以外の祝日はすべてキリスト教関連の祝日ですし、なんだかんだいって、ドイツはキリスト教の影響が強い国なのです。
どの国にもいろいろな考え方の人がいるので一概には言えないものの、ショッピングのような「消費」に幸せを感じるという人はドイツにはあまり多くなく、どちらかというと「自然の中で体を動かしたり、登山をしたりといったことに幸せを感じる人」が多い印象です。「自分がどんなときに幸せを感じるか」について自己分析ができれば、そういった時間を増やす工夫もできます。したがって、「自分を知ること」が一番の幸せへの近道かもしれません。
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト
