2023年、ドイツのGDPが日本を追い抜きました。この現実に、コラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は「衝撃を受けた」と言います。なぜなら、「ドイツ人は昔も今も『休むのが大好き』」で、日本人とは比べ物にならないほど休暇を取るからです。経済低迷が続く日本、私たちが彼らから学ぶべき“働き方”と“休み方”の本質とは何でしょうか。本記事では、同氏の著書『有休取得率100%なのに平均年収が日本の1.7倍! ドイツ人の戦略的休み方』(大和出版)より一部を抜粋・再編集し、ドイツ在住のヨヘンさんの話から、仕事と休暇のバランスを考えていきます。
「休めない」日本のGDPを逆転、「有休100%」のドイツ…『休みなく働く』美徳の崩壊

ランチ事情

そしてお昼休みは、ヨヘンさんの裁量で「自由にできる」とのことです。つまり、特に昼休みの時間の長さに明確な規定があるわけではありません。

 

「大体12時ごろになると、同僚が『お腹すいた。お昼行かない?』と誘いに来る。それで一緒に社員食堂に行くんだ」。

 

実はこの社員食堂は「会社が社員のために契約している食堂」ですが、オフィスから300メートルほど離れた場所にあります。

 

「みんなでたくさん話しながら食べるけど、暗黙の了解で『仕事の話はしない』というのが決まりなんだ。それで食べたあとは、また300メートル歩いてオフィスに戻るんだけど、途中に公園もあるから気持ちがいい。やっぱりお昼休みをはさむと、いったんリセットされた感じで、リフレッシュした気分。だからランチのあとも仕事ははかどる」と話します。

 

 

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト