本格的な介護の前の「気掛かり」を相談できる「地域包括支援センター」

介護は急にやってくるといいますが、それまでに「気掛かり」はあります。家族がそれに気づいて予防や対策ができれば何よりですが、気づいても「うちの親に限って」と動かないことが多いです。

そんなときに役に立つのが「地域包括支援センター」。住んでいる地域の担当制なので、ネットで検索してから相談を。高齢者の生活相談ならほぼ網羅しています。

そう、財布がなくなったことで夫婦喧嘩が絶えない親のこととか、認知症かもしれないけれど本人が拒絶するとか。また、お金がないけれど施設に入りたいとか、ゴミの捨て方がわからなくて溜まってしまって飼い猫がぐちゃぐちゃにしているとか。まったくお手上げになる前に、気掛かりレベルで相談するのがポイントです。

介護の決め手は頼りになる「ケアマネジャー」と出会えるかどうか

自ら情報を集めるのではなく、福祉のプロを活用することがポイントです。要介護認定がおりるとケアマネジャーが担当してくれます。ケアマネジャーは「ケアマネージャー」と発音しますが、表記はなぜか「マネージャー」ではなく「マネジャー」です。

ケアマネジャーはもともと介護のプロ(介護福祉士)、福祉相談のプロ(社会福祉士)、医療のプロ(看護師、保健師など)として実践経験があります。

介護全般を網羅する専門知識をしっかり勉強しているのでどのケアマネジャーでもいいのですが、私は要介護状態になっている原因にあわせた専門分野をもつ人に依頼をすると、より役立つアドバイスが得られるのでおすすめしています。

ケアマネジャーはその人の住まいを中心に介護サービスや生活支援サービスの情報・口コミ・評判を知っています。

とくに生活に欠かせない調理、掃除、洗濯、近所付き合い、買い物、ゴミ出しなど、みんな生活する人たちは行っているので、アウトソーシングもしやすく、ヘルパーサービス以外にも便利で使い勝手のいい民間サービスがたくさんあるものです。そうしたここだけの話も、もしかしたら聞けるかもしれません。

こちらから「こういうことをしたいけれど、こういうサービスがあると助かるんだけど」と相談をもちかけてみてください。「ないです、知りません」と一蹴するなら食い下がって、もう少し調べてもらえないか、相談してみてください。

それでも不機嫌になったりするならケアマネジャーは変更してもらうことも可能です。介護の決め手は頼りになるケアマネジャーや事業者と出会えるかに限ります。