サラリーマンを辞めて起業を決意し、見つけたビジネスは物販。しかし、右も左もわからない状態で数多の試練が襲い掛かる――。30歳目前でサラリーマン生活に終止符を打ち、"どこでも生きていける"ための個人事業をスタート。現在は世界を旅しながら2児を育てる森翔吾氏の著書『すべては「旅」からはじまった 世界を回って辿り着いた豊かなローコストライフ』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編して、森氏が自分探しの旅を始めるまでの経緯をご紹介します。
29歳で脱サラ、起業成功で「時間とお金」を手に入れた元会社員。さらなる富も狙えたが…「ビジネス拡大」を選ばなかったワケ
「自分がいる世界はここではない」自分探しの旅へ
1000個以上のロットで海外からの仕入れができるようになり、時間的にも金銭的にも余裕が生まれた。普通ならここで、
●取引先をさらに増やす
●独占販売権を獲得
●独占販売権を獲得
などを考えて、「さらにビジネス拡大!」というコースを辿ると思う。しかし、僕が選んだ道は違っていた。「自分探しの旅」をしようと思ったのだ。
なぜかというと、時間的にも金銭的にも余裕ができたにもかかわらず、毎日クタクタに疲れ、うつ状態が続いていたからだ。いくつかのビジネスセミナーに通ったが、「自分が求めていたのはこれだ!」と思ったことはなかったし、いつもぼんやり感じていたのは、
「自分が求めているのは、上り詰めることではない!」
「ビジネスを拡大して超リッチになりたいわけではない!」
ということだった。
輸入ビジネスのセミナーも、年間100万円以上を費やしたにもかかわらず、3カ月で3回ほど通っただけで、行かなくなっていた。参加している起業家たちは儲けて豪遊、女遊び、高級車に乗るなど、いかにリッチな生活をおくるかといった話題に花を咲かせていた。
その光景を見ながら、「自分がいる世界はここではない」と違和感を覚えた。とはいえ、具体的に何がしたいのかは、まだわからない。そこで、輸入ビジネスをしながら、海外で生活し、自分はどんな生き方、暮らしがしたいのか、考えてみようと思った。
自分探しの旅の始まりだ。
森 翔吾