海外で日本人がリスペクトされるのは、先輩たちの努力があるから

"幸せとは何か"をテーマに、生き方・働き方を模索する紀行エッセイ
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ドバイでは、タクシーの90%がトヨタ車だ。僕が日本人だとわかると、多くのタクシードライバーが「トヨタ・カムリ最高!」「トヨタGOOD GOOD!」と手放しで褒めてくれるし、握手を求められることもある。

この前は、もうすぐ走行距離100万キロになる2016年モデルの「トヨタ・カムリ」を運転しているパキスタン人のタクシードライバーに会った(正確には走行距離98万6569キロ)。

一般的に日本では、車の寿命は「10年」「10万キロ」と言われる。10万キロを超えると、パーツが劣化し、エンジントラブルなどが多くなるからだ。にもかかわらず、100万キロ! そんな車を見たのは初めてだった。これは日本の皆さんにもお知らせしなければいけないと思い、急遽、ドライバーに撮影許可をもらってカメラを回し、YouTubeにアップした。

そのときの会話は、こんな感じだ。

「ワァ、もうすぐ100万キロだ!」

ドライバー(以下、ド)「ハハハハ。この車は2016年モデルで、今は2025年だから、もうすぐ10年になる。たぶん、今月で引退かな」

「リタイアするの? 100万キロなんて見たことないよ。トラブルはないの?」

「ノートラブル! 本当に良い車だよ」

「パートナーと一緒に使っているの?」

「私のパートナーは深夜担当ドライバーで、私が午前4時~午後4時まで運転して、パートナーが午後4時~午前4時まで運転する。12時間運転したらパートナーに交代。ドバイのタクシー車両は、すべて24時間稼働しているんだ」

「マジか!(笑) 24時間エンジンONなんて、びっくりだよ」

「レストランで食事をする15分間と、モスクでお祈りをする5分間は休むよ。中国車っていう選択肢もあるけれど、微妙だね。中国車をタクシーとして24時間使ったら、10万か20万キロで引退かな。日本車は高いけれど、すごく高品質だよ。でも、メーターが99万9999になったらおしまい(笑)」

それはそうだ。それ以上走行しても、もうカウンター表示できないのだから。ところが、パキスタン人のドライバーは続けてこう言って笑った。

「この車の前は2018年モデルのトヨタ・カムリに乗っていた。そのときは100万キロ走行した後、さらに一カ月間乗ったよ(笑)」

ドバイでは100万キロ走行は当たり前ということか。いずれにせよ、日本の車がこれだけ信頼されているのは、素晴らしいことだと思う。