医療費は「高額療養費制度」で抑えることが可能

健康保険によって、医療費は大幅に抑えることができます。ここで紹介する高額療養費制度は、医療費を安くする基本となります。

莫大な額にはなりにくい

「がん治療は高額な医療費がかかる」というイメージを持つ方は多く、診断当初は「治療費を払い続けられるだろうか?」と不安を感じる方も少なくありません。

しかし、過度に不安になる必要はありません。日本には医療費が莫大な額にならないようなしくみがあります。

では、具体的にどのくらいの費用がかかるのかを見てみましょう。

就労世代の実際の負担は3割

まず一番に言及したいのは、健康保険制度(公的医療保険)についてです。

基本的にすべての方は、健康保険に加入されていると思います。ご存じの通り、この制度によって私たちの医療費負担は、実際にかかる費用全体の一部となっています。

健康保険の適用される治療や検査の場合、窓口負担は1~3割です。

年齢によっても異なりますが、就労世代の皆さん(69歳以下)の場合は3割です。手術や抗がん剤などで100万円の医療費がかかったとしても、窓口では30万円の支払いとなります。

出所:『【図解】医療費・仕事・公的支援の悩みが解決する がんとお金の話』(彩図社)より引用
[図表1]公的医療保険のしくみ 出所:『【図解】医療費・仕事・公的支援の悩みが解決する がんとお金の話』(彩図社)より引用