万年金欠です…世帯年収1,200万円の50代夫婦「自宅はタワマン」「車は“残クレクサス”」で家計は火の車も、実は「賢い選択かもしれない」といえるワケ【CFPの助言】

滝本夫妻が“万年金欠生活”を選んだ理由

株式や投資信託は「実態が見えないから苦手」と手を出さず、堅実に貯金を続けていた滝本夫妻。しかし、しだいに「このままただ貯めておくだけでいいのか」「なんのためにお金を貯めているのか」という思いが強くなっていったといいます。

そこで選んだのが、「現物投資」としてのタワマン購入でした。暮らし始めた当初は「少し背伸びしすぎたか」と感じていたものの、その利便性に慣れ、窓から広がる夜景の美しさに癒されるうち、いつしかそんな暮らしが“日常”になっていきます。

そして、次に目を向けたのは車です。高級な暮らしをする以上、近隣住民と同程度のステータスを保つ必要があると考えた滝本夫妻。とはいえ、常に乗り回すわけではありません。そこで、残クレでレクサスを乗り継ぐ方法を選びました。月々の負担を抑えつつ、飽きれば返却できる仕組みは自分たちに合っていると滝本さんはいいます。

滝本夫妻の「老後計画」とは

そして滝本夫妻は、定年と同時にタワマンを売却し、妻の地元・愛媛に小さな戸建てを購入する計画を立てているそうです。

そんな「老後の移住計画」に向けて必要なおおよその金額を知りたい。これが、夫婦がFPのもとに相談に訪れた理由でした。

滝本夫妻の生活・計画は意外と理にかなっている？

タワマンとは一般的に、20階以上の高層マンションを指します。

そんなタワマンの特徴として「資産価値が比較的下がりにくい」という点が挙げられます。株式会社マーキュリーの調査によると、東京23区におけるタワマンの平均価格は2004年時点で5,300万円でしたが、約20年後の2023年には1億1,764万円と倍以上高騰しています。

［図表］タワーマンション平均価格推移 出所：株式会社マーキュリー「タワーマンション市場動向」

タワマンの資産価値が維持されやすい理由には、次のようなものが挙げられます。

タワマンは、都心部などの人気エリアに建設されるケースが多く、駅直結や商業施設に併設されることも多いことから、安定した需要を確保しやすくなっています。加えて、投資目的で購入する人も少なくありません。

とはいえ、すべての物件が同じように価値を保てるわけではなく、立地や管理状態によっては人気が落ち、価格が下落してしまうケースもあります。また、将来の不動産市況が冷え込むことによって価格が大幅に下落するリスクがある点にも注意が必要です。