メディアでさかんに「転職」がうたわれる昨今、「そろそろセカンドキャリアを考えたい」「いまの職場から抜け出したい」と考えているミドル世代も多いのではないでしょうか。とはいえ、長いあいだ周囲の期待に応えるべく懸命に働いてきた50代は、「自分の本当にやりたいこと」がわからないという人も多いはず。54歳のときに執行役員まで務めた通信会社で懲戒処分となり、55歳で無職となった竹本和広氏も、かつて同じ悩みを抱えていました。現在はミドルシニアのキャリア支援に従事する同氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、「自分の本当にやりたいこと」を見つける“意外なテクニック”を、紹介します。
通信会社の執行役員だったが…まさかの懲戒処分、30年のサラリーマンに終止符。55歳男性が無職になっても「絶対にやりたくない仕事」 (※写真はイメージです/PIXTA)

反対されることで、かえって「やりたいこと」が明確になることも

最後に、やりたいことが明確になった体験をお伝えします。あなたも、これまでの体験や出来事のなかに、本来やりたかったことが埋もれているかもしれません。「やりたいことを反対された」そこからの気づきです。

 

私は2022年1月からの1年間、企業研修講師養成講座に通いました。半年経過した講座の後半からは、自分の十八番ネタの研修コンテンツづくりがはじまりました。

 

企業で中高年向けに行われているセカンドキャリア研修をしたい、と思って作成開始したのですが、先輩たちから反対を受けたのです。セカンドキャリア研修に企業はお金をかけない、管理職経験があるあなたはリーダー研修や管理職研修をやったほうがよい、とのアドバイスでした。

 

先輩たちは私のことを思っていってくれたのですが、数日考えたすえにアドバイスを聞き入れず、自分の意思を優先しました。先輩たちに反対されたおかげで、自分のやりたいことの輪郭が見えた気がします。自分の気持ちに確信がもてました。私は管理職を育成するよりも、セカンドキャリア研修を受ける人たちを応援したい。その思いが強いことをあらためて確認できた体験です。

 

あなたも過去に、やりたかったことを誰かに反対され、それでもやった体験はありませんか? それはきっと、相当にやりたいことだと思います。もしくは、反対されて我慢し続けていることはありませんか?

 

ぜひ、やりたいことを思い出し、誰にも反対されない複業の世界でチャレンジしてほしいと思います。

 

 

竹本 和広

セカンドキャリアコーチ

株式会社ライフシフトラボ 複業トレーナー

 

※本記事は『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。