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「正規」と「非正規」の壁は厚い…仲間と開く“ライフステージの差”

生活が少し落ち着いてからは、派遣社員として働き始めました。まだまだ正規雇用の壁は高かったものの、人件費削減を目指す企業にとって「非正規雇用」の需要は山ほどあります。派遣の事務仕事も、あっさり決まりました。
しかし、あくまで非正規雇用です。当然、ボーナスや退職金、企業年金などの福利厚生はなく、キャリアアップも期待できない冷遇ぶり。それでも、上場企業の綺麗なオフィスで勤務できることや、自由に使える時間やお金ができた喜びのほうが勝り、この選択が老後の年金にまで影響するなど予想だにしていませんでした。
やがて、正社員の仕事仲間たちは産休、育休、栄転と、続々と職場から抜け始めました。
「マイホームを買ったから、遊びに来てね」などと誘われるようになります。ここでようやく、自分だけライフステージが一向に変わらないことに焦りを感じるようになりました。
「結婚」という選択肢がなかったわけではありませんが、家庭の事情を考えると積極的にはなれませんでした。
「私だってあと数年早く生まれていたら…」「介護離職なんてしなければ…」
いつまでも社会や環境のせいにしている自分にもうんざりで、「自分の未来は自分で切り開いていかなければダメだ!」という気持ちが次第に強くなっていきました。
当時はなんとなく考えないようにしていましたが、いわゆる“勝ち組のキラキラ生活”を目の当たりにした刺激が、資産形成に取り組む決意を固めるターニングポイントだったかもしれません。