会社の倒産や解雇など、失業した際に受け取れる「失業等給付」。この給付金は、ただ待っているだけではもらえません。正しい知識を持って、適切なタイミングで手続きをしなければ、本来もらえるはずの金額を大幅に下回ったり、最悪の場合、権利そのものを失ってしまったりすることさえあります。本記事では、河原優美子氏の著書『知らないと損する!お金の手続き』(ごきげんビジネス出版)より、「失業等給付」のしくみと受給要件についてみていきましょう。
65歳の誕生日の“前々日”に退職すべきだった…定年後の失業手当、たった数日の違いで給付金が激減する「非情なルール」【社労士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

倒産、定年退職…職を失ったときに受け取れる「失業等給付」

会社が倒産、解雇、定年退職、その他の理由で失業したとき「労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にある(まだ働きたいという気持ちもある、能力や体力もあるが、働く会社がなく勤めることができない状態である)」と認められた場合、失業等給付が受けられます。

 

会社を辞めたとき、次の会社で働くまでのあいだは収入が途絶えてしまいますよね。そうしたときに雇用保険から会社選びを手伝ってもらいながら、お金を受け取れる仕組みなのです。必要な知識を学ぶこともできます。

 

妊娠・出産・育児・ケガ・病気などによって30日以上働けないときは、受け取る時期を遅らせる手続きをすることで、受け取る時期を最大3年まで遅らせることができます。ケガで働けなくなり会社を辞めたときに、次の仕事がすぐ探せない状態や、仕事ができない状態のときに、ケガが治った際に働けるように受け取る時期を遅らせてもらえるのです。定年退職のときも、長く働いてきたので少し休んでから働きたいから、との理由で延長できます(条件があるので確認が必要)。年金だけでは暮らせないといわれますから、定年後も働きたいひともいますよね。

 

それぞれ受け取る時期を遅らせる期間が決まっています。必要な書類をハローワークで確認してください。本来は会社を辞めた翌日から数えて1年以内のあいだに受け取ることになっています。

 

《ポイント:受け取れるための期間》

〇基本:退職後1年以内に受け取る。

〇例外:受け取ることを遅らせる延長申請ができる。

〇手続きをしないと受け取れない。