「評価額」だけで測るとリスクが増す…相続対策
「不動産投資を相続対策に活用するケースは、珍しくありません。ただし『相続税評価額を下げる』という目的だけで不動産を持つのは今、非常に危ういと言えます」
そう語るのは税理士の大浦智志氏です。度重なる税制改正は、これまで注目されてきた「節税対策としての不動産投資」の在り方に大きな影響を与えました。特に新築タワーマンションのような一部スキームついては、期待される効果が大きく薄れているため、投資家は別の視点を持つ必要があるようです。
「不動産の評価額がどれだけ下がるかは、確かに節税と密接に関わるポイントです。しかし、相続には税額云々より、『誰に・何を・どう渡すか』という設計の問題があります。基盤が緩いと、家族間の争いにつながるリスクが生じやすくなるのです」
実際、現金のように正確な分配が難しい不動産を共有名義にしてしまうことで、後年にトラブルが生じるケースは少なくありません。特に分割しにくい一棟物件や土地などの資産については遺族間で意見が割れやすく、処分や運用の意思決定が停滞してしまうことさえあるのです。
「その点、区分所有のマンションであれば、一戸毎に明確な資産価値がある。相続人に応じて公平に分けることができるうえ、各自が『持つ・売る・貸す』といった選択肢を自由にチョイスできます。私は『争族対策としての不動産』という表現をよく使いますが、区分所有はまさに、その代表例です」
収益性は、資産の重要な評価ポイント
もう一点、大浦氏が重視するのは「収益性」に基づく視点です。対策というと、相続発生時の税額にばかり意識が向きがちですが、「発生までの間に、資産がどう働くのか」を無視すべきではありません。
「相続発生のタイミングは、誰にも分かりません。その間、不動産が収益を生んでくれれば、節税よりはるかに有効な資産価値が生じるのです。ところが現実には『過去に買った物件を、赤字のまま抱えている』といったケースが、よく見受けられます」
こうした赤字不動産を保有し続けるより、今のうちに収益性が高い資産へ組み替えてしまうことで、理に適う結果が導き出されやすくなるのは明白です。
「私のところに相談に来られる方には、不動産ごとの収支を再評価することをおすすめしています。特に地方の不動産は今後、賃貸需要や資産価値がどう変化していくのか、かなり不透明。売却できるうちに手放し、より収益性と安定性が高い資産へ移行していくのが手堅い判断と言えるでしょう」
その代替先の1つとして大浦氏は「東京の不動産」に注目しています。
「これからの相続対策には『収益を生み、管理が容易で分けやすい資産』をどう設計していくかが重要。高騰した東京の区分マンションは、そうした条件をバランスよく満たす、実用的な選択肢の1つなのです」
なぜ「東京」×「単身者向けマンション」が狙い目なのか?
大浦氏が提唱する「東京の区分マンション」。その中でも特に、安定した需要と収益性が見込めるのが、都内の単身者向けコンパクトマンションです。この分野で長年の実績を持つのが株式会社青山メインランド(代表取締役:西原良三)。同社関連会社、株式会社ランドネクスト営業部 上席部長 兵頭伸一氏は、都内単身者向け物件の底堅いメリットについて、次のように力説します。
「少子高齢化が進む日本社会でも、首都・東京エリアの人口は増加中。特に転入超過が目立ちます。中でも単身者の割合は高く、都内の総人口1,400万人中の、360万人以上*。世帯数で見た場合は50%を超えるとも、言われています。その多くは都内の企業に勤めるビジネスパーソンですから、賃貸物件を求める需要が衰えることは、今後も考えにくいでしょう」
*2020年国勢調査より
近年、東京の地価や建築費は上昇傾向にあるため、贅沢な居室を含むファミリータイプの一棟マンション価格は、中古物件でも一億円を超えます。おいそれと手を出せないのはもちろん、高騰し過ぎた価格が下落する心配も。その点、単身者向けのコンパクトマンションは景気動向に左右されにくいと、兵頭氏は強調します。
「投資物件を運用中、気になるのは家賃収入。月額数十万円の高級マンションの場合、景気動向や築年数により、家賃の値下げを検討せざるを得なくなります。しかし単身者向けコンパクトマンションの家賃相場は月額10万円前後。この価格帯であれば、景気動向による影響を受けにくいでしょう」
加えて「メインステージ」シリーズを始めとする青山メインランドのコンパクトマンションは、高い居住性を確保していることでも定評があります。
「居住者の目線を反映したうえで、一時的なトレンドに左右されることのない、シンプルな居室を用意いたしております。飽きの来ない『正統派』を目指すことで、物件の資産価値を維持し続けることが、可能になるのです」
収益と資産価値を手堅くキープし、なおかつ明確な相続設計を実現可能な、コンパクトマンションの区分所有。青山メインランドは創業から40年近い歴史の中で着実にノウハウを蓄積ながら、東京の不動産投資を成功裡に導いています。次回(9月1日公開予定)はリスク分散に役立つ「複数所有」といった観点から、同社物件の投資価値を分析していきます。

