国民年金は、20歳から加入義務が発生します。しかし「学生で収入もないのに払えるわけがない」と感じるのは当然のことです。だからといって、届いた通知書の無視は厳禁! その行為は、万が一の事故や病気の際にあなたを守るセーフティーネットを失うことにつながります。河原優美子氏の著書『知らないと損する!お金の手続き 年金・社会保険・介護で困らない制度』(ごきげんビジネス出版)より、「学生納付特例」のしくみとその注意点についてみていきましょう。
日本年金機構から届く「一通の封筒」をスルー…年金を親まかせにした子ども、のちに年金機構から届く「恐怖の通知」【社労士が警告】 (※写真はイメージです/PIXTA)

若くても油断は禁物…20歳から発生する「国民年金」の義務

出典:『知らないと損する!お金の手続き 年金・社会保険・介護で困らない制度』(ごきげんビジネス出版)より抜粋
[図表]ライフステージごとに必要な手続き 例 出典:『知らないと損する!お金の手続き 年金・社会保険・介護で困らない制度』(ごきげんビジネス出版)より抜粋

 

2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、国民年金は20歳から加入しなければなりません。あなたが20歳になったとき、日本年金機構から年金手帳(現在は基礎年金番号通知書)などが入った封筒が届いたのを覚えているでしょうか。そのとき「年金なんて将来のこと自分には関係ない」「親まかせにしよう」などと思いませんでしたか。

 

年金についてしっかり向き合わないと「将来の年金を満額受け取れない」「ケガや病気による障害年金を請求できない」など、実は損していることがあるのです。現在あなたに20歳を迎えるお子さまがいましたら、通知書の中身を親子で確認し、手続きをしてください。

“いま払えない”ときに活躍する「学生納付特例」

しかし学生ですから払えませんよね。親の私たちには教育費の支払いがあり、住宅ローンの支払いがあれば、それはまた大変です。にもかかわらず、国はお構いなしに20歳の誕生日月から請求するのです。

 

2022年4月1日から年金手帳が廃止になり、基礎年金番号が記入された用紙が送付されてきます。その際に子どもが学生であることを証明し「国民年金保険料 学生納付特例申請」を手続きしておけばいいのです。これは保険料を納めることを待ってくれる(猶予)制度になります。10年以内(ただし2年以上経過すると利息がつく)に支払うと、将来もらえる年金を満額にできます。

 

「どうせ将来もらえない年金なんて、いま支払いたくないよ」と思うひともいるでしょう。国民年金保険料を納付しない場合、督促状が届き、差し押さえされることがあります。保険料を支払えないときは免除制度を利用しましょう。