人生100年時代といわれる昨今、「資産形成が重要だ」と知ってはいても、いったいなにから手をつければいいのかと悩んでいる方も少なくないでしょう。とりわけ30代になると、結婚や子どもの誕生など、一気にライフステージが変わるケースも珍しくありません。牧野FP事務所合同会社のCFPの牧野寿和さんが、そんな30代の「資産形成」について事例をもとに解説します。※本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』からの転載です。
30代が「資産形成」をはじめたきっかけ…仕事に子育て、多忙を極める世代の事例【CFPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

資産形成の目的は「理想のライフプラン」を叶えること

 

資産形成の目的は、夫婦や家族の描くライフプランを実現することです。

 

「マイホームを建てたい」「子どもを大学に行かせたい」「老後豊かに暮らしたい」…それぞれのプランに基づき、住宅購入費や教育費、老後の生活費用など、必要な資金を蓄えていきます。

 

たとえば、数年後に使う住宅購入のための頭金のためであれば、Aさん夫妻のように銀行に定期預金で積み立ててもいいでしょう。

 

ただし、15年~20年以上先の、たとえば子どもの大学にかかる費用などは、株式や債券、投資信託といった金融商品に投資して資産形成を行うこともおすすめです。

 

なお、資産運用の際には、下記の3点を押さえておきましょう。

 

・利益が利益を生む複利効果が期待できる「長期」投資

・複数の金融商品に投資して、価格や為替、地政学リスクを抑える「分散」投資

・一定額を継続して積み上げていく「積立」投資

 

ちなみに、Aさん・Cさん夫妻の公的年金の受給見込額は下記のとおりです。

 

■Aさん夫妻

Aさん:月額21.07万円(65歳から)

Aさん+Bさん:月額30.82万円(Aさん68歳、Bさん65歳から)

 

■Cさん夫妻

Cさん:月額23.74万円(65歳から)

Cさん+Dさん:月額28.77万円(Cさん68歳、Dさん65歳から)

 

老後をシミュレーションしたうえで、年金で足りない分の資金はいまから準備を始めておくと安心でしょう。

 

また、昨今では「インフレリスクに備える」ことも資産形成の重要な目的のひとつです。資産形成を始める際には、今後の物価上昇も見越して目標額を多めに設定しておくと安心かもしれません。