核家族化が一般的となった昨今、離れて暮らす親とはどのくらいの頻度で顔をあわせていますか? 電話などでは定期的に連絡をとっていても、直接会うとなると、お盆や年末年始、GWなど、年に数回という人も多いのではないでしょうか。そこで今回、車で1時間の距離に暮らす親子の事例から、高齢の親とその子がそれぞれ気をつけておきたい「家計を守るためのポイント」をみていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
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長男の決心…親子の「その後」
数日後、和也さんは市の地域包括支援センターを訪れました。母の異変と生活資金の減少に直面し、自分ひとりで抱え込むには限界を感じたからです。
支援センターでは、介護の専門職員から「家族が定期的に関わることの重要性」や「財産管理」について丁寧な説明を受けました。
職員「高齢の親が1人で生活している場合、日常的な見守りだけでなく、お金の出入りにも一定の管理が必要です。特に、認知機能が低下している状況では、誰かが通帳や印鑑を管理する仕組みを早めに整えておくことが重要となります。また、必要に応じて弁護士などの専門家に協力を求めましょう」
さらに支援センターからは、グループホームの概要についても説明を受けました。住み慣れた自宅をすぐに手放す必要はないものの、いざというときに備えて、介護施設の選択肢を持っておくことが重要とのことです。
和也さんは今回の経験を通じて「親の老後について、なにかあってから動くのでは遅い」と痛感した様子。元気に見えていたとしても、年齢を重ねれば、急な体調変化や判断力の低下が起こることは誰にでも起こり得ます。
だからこそ、親が元気なうちから「資産管理」「見守り体制」などについて、家族できちんと話し合っておくことが大切です。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP