妊娠をきっかけに結婚にいたるカップルも多い一方、妊娠を伝えた途端に関係がこじれたり、相手が音信不通になるケースも……。裏切られたショックと怒りで復讐心に駆られるかもしれませんが、大切なのは「その後の生活」です。具体的な事例をもとに、母子家庭向けの支援制度やライフプランの立て直し方をみていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。※プライバシー保護のため、登場人物の情報を一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
許さない…月収29万円・貯金150万円の36歳女性、待望の妊娠も30歳・年下彼氏の対応にブチ切れ→復讐に燃える「未婚の母」の“まさかの行動”に拍手喝采【CFPが解説】
第2の人生を歩みはじめた小山さんの「その後」
一連の騒動が落ち着いた頃、小山さんは再びファイナンシャルプランナー(FP)のもとを訪ねました。今回は「どう暮らしを立て直すか」という前向きな相談です。
FPは、児童扶養手当や医療費助成など、母子家庭を支える支援制度を丁寧に説明。制度の存在に少し安心した小山さんでしたが、FPはこう続けます。
「支援はあっても、シングルマザーの生活は決して楽ではありません。安定した収入を得る努力が大切です」
その言葉を受け、小山さんはまず住居費を抑えるため、住まいを実家に切り替えました。両親も温かく迎えてくれ、お金だけでなく心にも余裕が生まれたといいます。
さらに、バーでの勤務形態は子育てとの両立が難しいと感じ、教育訓練給付金を利用してパソコンの基礎を学び直すことに。職業訓練校での勉強を経て、ハローワークの支援を受け、一般企業の事務職に転職することができました。
子どもの教育費や自身の将来も見据え、FPと定期的に相談を重ねながら、堅実な生活を築いています。
「もう、あのときの私とは違います。この子と一緒に、しっかり生きていきます」
いまや小山さんは、単なる未婚の母ではありません。“たくましい母”として、新たな人生を力強く歩み始めています。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表