62歳で早期退職し、妻と憧れの地方移住に踏み切った青柳真司さん(仮名)。しかし、甘い見通しで始めたことがまさかの“負の連鎖”を引き起こします。結果、「このままでは……」とUターンもよぎる絶望の日々。一体何が彼を待ち受けていたのでしょうか。本稿では、地方移住と不動産投資で後悔しないための、リアルな教訓についてFPの青山創星氏が詳しくお伝えします。
(※写真はイメージです/PIXTA)
東京の満員電車・仕事のストレスにもうウンザリだ…62歳元会社員、理想の暮らしを求めて一念発起。憧れの地方移住を果たすも「収入ゼロ」「資金が底をつく」大誤算に悲鳴【FPの助言】
資金が底をつくまで猶予は5年…専門家のアドバイス
東京への帰還を検討し始めた青柳さんは、大学時代の友人に相談しました。その友人が紹介してくれたのが、地方移住に詳しいファイナンシャルプランナーの永瀬財也さん(仮名)でした。
「青柳さんのケースは珍しくありません。多くの方が同じような課題に直面しています。でも、諦めるのはまだ早いですよ」と永瀬さん。彼のアドバイスが青柳さんの危機的状況を好転させる転機となりました。
まず永瀬さんは、青柳さんの資産状況と今後の収支計画を詳細に分析しました。その結果、このままでは5年以内に資金が底をつく可能性があることが判明。早急な対策が必要でした。
永瀬さんは次のような具体的な提案をしました。
1.投資物件の見直し
「3軒すべてを維持するのではなく、最も状態のよい1軒は民泊用にリノベーション、もう1軒は売却、残りの1軒は地域の協力を得ながらコミュニティスペースとして活用してはどうでしょう」
2.収入源の多様化
「広告業界での経験を活かし、地元企業のマーケティングコンサルタントとして週2〜3日働く。また、オンラインでの副業も検討しましょう」
3.生活コストの見直し
「光熱費削減のための断熱リフォーム、車の共同利用など、地方ならではの節約術があります」
4.コミュニティへの溶け込み方
「地域活動には『できることから』参加し、地元の知恵を謙虚に学ぶ姿勢が大切です」