大人になっても働かずに実家暮らしの子を持つ高齢の方も多いといいます。そうした状況を放っておくと、ゆとりのある老後の計画が崩れてしまうかもしれません。今回は、52歳の娘と一緒に暮らす80代の夫婦、佐藤昭一さん（82歳・仮名）と妻の澄子さん（80歳・仮名）の事例と共に、こどもの自立のために親ができることを小川洋平FPが詳しく解説します。
（※写真はイメージです／PIXTA）
この先どうなるのでしょうか…“実質無職”の52歳一人娘を抱える80代夫婦が苦悶。年金月22万円・資産5,000万円で楽しい余生のはずが、生活費を切り詰める日々【CFPの助言】
親亡き後、子が困窮しないために
本記事で取り上げた佐藤夫妻のように、親の年金と貯蓄に子が依存している家庭では、老後は何とかなっても、親がいなくなったあとに子が生活に困窮してしまうような可能性もあります。
「かわいい子には旅をさせよ」とはいいますが、現代では“旅”どころか、自立というスタート地点にすら立てない大人も増えています。
自立してもらうための第一歩は「叱ること」ではなく、問題を客観的に「見える化し、方向性を示すこと」なのではないでしょうか。そして、問題が明確になったら、次は本人の気質や特性に合わせて、できるところから少しずつ始めることが大切です。
自立を支援する機関を頼ることもできますし、少しずつ、無理せずに自立した生活を送る選択肢もあります。家族間だけでは解決が難しい場合には、FPに依頼して問題を見える化してもらったり、FPの協力を得ながら関連する機関の助けを借りたりして、自立した生活を送れる手段を考えてみましょう。
小川 洋平
FP相談ねっと
