相談件数は過去最多に…西日本で人気の「移住先」は?

少子高齢化で日本の総人口が減少する一方、東京都をはじめ一部都市への人口集中が続いています。東京都の人口(推計)は2025年1月現在約1,420万人と、10年前の約1,352万人に比べて68万人増加している状況です。

交通の便がいい、仕事が多い、娯楽施設にあふれている……。都市部に住むメリットは枚挙にいとまがないでしょう。しかし、混雑していてパーソナルスペースが狭い、物価が高いなど、デメリットも少なくありません。

特に、子育て世帯やシニア世代にとっては、都会の喧騒を離れ、自然あふれる地方でゆったりと暮らしたいと考えている人も多いのでは。

そこで今回は、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが実施した地方移住に関するアンケート結果をもとに、移住希望者に人気の移住候補地ランキングトップ3【西日本編】を紹介します

※ 調査対象:新規のセンター窓口相談者、新規の移住セミナー・相談会等参加者(いずれもオンライン含む)/調査手法:左記対象者へのアンケート(相談カード)/調査時期:2024年1月4日~12月28日/回答者数:19,021(相談:n=11,782 セミナー:n=13,349 相談とセミナーは重複あり)

第3位:広島県(全国11位)

広島市を走る広島電鉄路面電車(出所:PIXTA)
広島市を走る広島電鉄路面電車(出所:PIXTA)

第3位にランクインしたのは広島県です。

県庁所在地である広島市は、市内に6本の美しい川が流れることから「水の都」の別名を持ち、広島駅のすぐ近くにも猿猴(えんこう)川が流れます。川沿いには木々とベンチがあり、散歩やデートにぴったり。高低差も少なく、路面電車も通っていることから、定年後の移住にも適しています。

広島市をはじめとした都市部は商業施設も充実し便利な一方で、少し離れれば自然があふれ、海あり山ありの穏やかな風土。美しい自然環境と充実した都市機能を兼ね備えています。

また、明治から昭和にかけて、海外移住者が最も多かったのが広島県。そのチャレンジ精神あふれる県民性で重工業や先端産業など、製造品出荷額等も中国・四国地方で1位となるなど、広島県には「オンリーワン企業」や「ナンバーワン企業」が少なくありません。
※ 出典:JICA横浜「海外移住資料館収蔵データ」

その一方で、新たなイノベーションを創出するための環境整備や創業支援にも県をあげて注力していることから、「仲間になりたい人」にも「新しくなにかをやりたい人」にも門戸が開けている県といえます。

また、広島といえば厳島神社や原爆ドームなど、いわずとしれた観光名所が数多い土地です。県内には2つの世界遺産と5つの日本遺産があり、国内外の観光客が絶えず訪れます。その分新たな出会いや交流も多く、知見が広がるスポットともいえそうです。

なお、広島県では「広島県移住・マッチング支援事業」として、東京23区(在住者または通勤者)から対象となる市町に移住し、対象の求人に応募して就職・起業を行うなど条件を満たす場合に単身者60万円、2人以上の世帯の場合100万円の「移住支援金」を支給しています※。

※ 最新の情報については、移住先の市町により異なる場合があります。詳細は移住希望先となる市町にお問い合わせください。

【東京から広島までの所要時間・運賃】

■時間……3時間42分

■運賃……4万190円

※ 飛行機を使用した場合。参照:NAVITIME「東京-広島」おすすめルート