いったいなにが起きたんだ…?現状を飲み込めないAさん

Bさんの支払った金額を知らないAさんは、エステに通い始めた妻を見て「なんだかほんとうに若返っている気がするよ」と、まんざらでもなく喜んでいました。

「エステ代は足りてるの? 贅沢するのも旅行のときだけだし、このまま死ぬまで残しておくのももったいないから、少しくらいなら使ってもいいぞ」

これを聞いたBさんは、「本当? じゃあ、お言葉に甘えて」と、エステティシャンに勧められるがまま、追加のプランを契約しました。

しかし……。

次の旅行の計画を立てるために記帳したAさんは、銀行で開いた口が塞がりません。2人で長年貯めてきた貯金通帳の残高は、毎月5万円、10万円と尋常でないスピードで減っています。

「なんだこれは!?」

Aさんは思わず大声をあげました。

家に帰るなり、AさんはBさんを呼び出して言いました。

Aさん「おい、ちょっと、これはなんだ。毎月こんなに使ったら旅行にも行けなくなるし、介護が必要になったときの費用も出せなくなるよ」

 

Bさん「でも……少しなら使ってもいいって言ってたじゃない」

 

Aさん「たしかに言ったけど……せいぜい4,000円~5,000円だと思ってた。おいB、これ詐欺じゃないのか? 俺が電話してやるから、解約しよう。クレーム入れてやる」

 

Bさん「待って待って……詐欺じゃないわよ、ちゃんと効果が出るんだもの。それに、Dさんに勧められて契約したのよ。こんなにすぐに解約したら、彼女の顔が立たない」

その場での電話はやめたものの、一刻も早く解約させなければと考えたAさん。おしどり夫婦の2人は、これまでお金のやりくりについてもその都度2人で話し合って決めてきましたが、そんな妻の突然の“暴挙”に、怒りというより唖然としてしまいます。

「このままではいけない。Bが今後も際限なく貯蓄を取り崩したらどうしよう」と心配になったAさんは、旧知の仲であるFPのもとに相談することにしました。