(写真はイメージです/PIXTA)
2――要精密検査受診状況
1|仮に「要精密検査」の判定が出た場合、速やかに精密検査を受けると思うか
まず、国が推奨する5つのがん検診のいずれか1つでも、最近2年以内に受けた人に対して、「仮に、「要精密検査」の判定が出た場合、速やかに精密検査を受けると思うか」を尋ねたところ、「速やかに受けると思う」が79.5%、「部位や結果の数値次第で考える」が14.0%、「2年連続など判定が続いたら受けると思う。」が2.2%、「自覚症状が出ない限りは受けないと思う」が0.9%、「わからない」が3.4%だった。「速やかに受けると思う」は、性別では、男性より女性、年齢群別では、65~74歳で高かった。
「わからない」を除く「部位や結果の数値次第で考える」「2年連続など判定が続いたら受けると思う」「自覚症状が出ない限りは受けないと思う」と回答した人に、要精密検査判定時に速やかに精密検査を受けない理由を尋ねると、「とりあえず様子をみようと思うから」が42.5%でもっとも高く、次いで「1度数値に問題がでたからといって問題があるとは限らない(28.4%)」「費用がかかり経済的にも負担になる(19.8%)」「病院に行く時間がとれないから(17.5%)」が続いた(図表3)。
一般に、がん検診を受けない理由として、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」「費用がかかり経済的にも負担になるから」「受ける時間がないから」「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」等があげられ、がん検診を重視していなかったり、時間や経済的な負担を避けていることが知られている3。それに対し、今回の分析対象者は、2年以内にがん検診を受けていることから、がん検診の必要性を一定程度認識していると思われるが、やはり費用や時間の負担を避けたり、健康状態に自信を持っていたり、がんが見つかる不安等から再検査を躊躇する様子がうかがえた。
2|「要精密検査」の判定を受けた経験がある人は、判定後どの程度で精密検査を受けたか
続いて、これまでに「要精密検査」の判定を受けたことがある人に、精密検査受診経験を尋ねた。 その結果、「指摘されてすぐに検査をした」は、最も高い乳がんで80%、最も低い胃がんでは66%と部位によって差があったが、「3ヵ月以内に検査をした」を合わせると85~90%程度が、「半年以内に検査した」も合わせると、95%程度が、検査をしていた。図表2と比べると、精密検査を受けた人は多くなっていた。
要精密検査の判定を受けた年齢は尋ねていないため不明であるが、比較的罹患年齢が高い肺がんと、乳がん、子宮頸がんで「指摘されてすぐに検査をした」と回答した割合は高くなっており、図表2の高年齢層や女性で「速やかに受けると思う」の割合の高さと整合的だった。
子宮頸がんでは、「すぐには検査しなかった」が5つの部位でもっとも高く、精密検査をすぐに受けた人とすぐには受けなかった人とにわかれたようだ。また、胃がんは、5つの部位でもっとも「すぐに検査した」の割合が低かった。


