夫婦で旅行に行きたい、趣味に没頭したい、習い事を始めたい……定年後にやりたいことは人それぞれですが、夫と妻が同じ気持ちであるとは限らないようで……。ゆめプランニング代表の大竹麻佐子CFPが、夫が定年を迎えた夫婦の事例をもとに、老後の資金形成における注意点について解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
妻よ、ありがとう…定年翌日、万感の思いで感謝を伝える65歳“不器用”な夫。退職金2,000万円で「なにがほしい?」→61歳妻からの〈まさかの返答〉に悲鳴【FPが警告】
山田(元)夫婦それぞれの「その後」
夫は生活のためアルバイト、妻は自由な暮らし…明暗分かれる老後生活
自宅と年金受給権は守れたものの、月18万円の年金と預貯金残高500万円で、健一さんはこれから1人で暮らしていかなければなりません。健一さんは生活費を稼ぐために、近所のガソリンスタンドでアルバイトを始めました。
「これまでなんのために必死に働いてきたんだろう……」
健一さんは肩を落とします。
一方、小さなアパートを借りて自由な生活を手に入れた美佐子さん。当初予定していたよりも多くの現預金を受け取ることができ、現時点で生活費の心配はありません。とはいえ、毎月の賃料に加えて光熱費や通信費などの支出負担は想定以上です。「いつまで働けるんだろう」と、将来への不安はありつつも、ようやく手に入れた自由を満喫しているようでした。
我慢しながら2人での生活を継続するのか、経済的に厳しくても新しい生活への1歩を踏み出すのか……どちらが正解かは人それぞれです。
人生100年時代といわれ、定年後の時間が長くなりました。日々のコミュニケーションを大事にしつつ、早めに計画を立て、心も身体もお金も心地よい状態でセカンドライフを送りたいものです。
大竹 麻佐子
ゆめプランニング 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)
相続診断士