大学卒業後、サラリーマンとしてキャリアを歩んできて四半世紀。40代後半は子どもの教育費や住宅ローンの返済で支出が膨らむタイミングです。一方で会社では重要なポジションを任され給与は一段とアップし、4桁に突入するケースも。このままサラリーマン人生の最高点へと向かう……と思いきや、想定外のことで一気に崩壊へと向かうこともあるようです。
うっ、うそだろ…〈月収45万円〉48歳サラリーマン、〈ローン残債3,000万円〉大学進学を控える子が2人でも、課長昇進で〈年収300万円アップ〉に歓喜!一転「老後崩壊」を予感した想定外 (※写真はイメージです/PIXTA)

48歳・サラリーマン、氷河期世代だが順調にキャリアを重ねる

30代前半で結婚し第一子が誕生。40歳前後に家を買い、50代に給与は最高額に到達。子どもが全員大学を卒業して、「ふぅ」とひと息ついたところで、60歳となり定年を迎える。これが平均的なサラリーマンの人生。多くの人が、こんなライフプランを思い描いているのではないでしょうか。しかし想定外のことで計画が破綻、ということも珍しくありません。

 

藤井剛さん(仮名・48歳)。東京郊外に買った戸建てに、妻と高校生の息子と2人暮らし。20歳になる大学生の長女はひとり暮らしをしています。

 

昨今、「初任給、続々30万円超え」のニュースに関連して語られることが多い氷河期世代。藤井さんも「確かに、損をした世代かもしれませんね」とポツリ。1976年生まれ、大学は1999年卒。求人倍率は1.25倍と、翌年の就職氷河期世代の底の時代と比べるとましでした。100社近い会社にエントリーし、内定を獲得したのは2社。会社の規模感から現在の会社への入社を決めました。

 

【就職氷河期世代「大卒者の求人倍率」】

1993年3月卒…1.91倍

1994年3月卒…1.55倍

1995年3月卒…1.20倍

1996年3月卒…1.08倍

1997年3月卒…1.45倍

1998年3月卒…1.68倍

1999年3月卒…1.25倍

2000年3月卒…0.99倍

2001年3月卒…1.09倍

2002年3月卒…1.33倍

2003年3月卒…1.30倍

2004年3月卒…1.35倍

2005年3月卒…1.37倍

2006年3月卒…1.60倍

※出所:株式会社リクルートワークス研究所『ワークス大卒求人倍率調査』

 

当時、大卒男性の初任給は平均19万円台。安定的に20万円台となったのは2008年以降のこと。それに比べたら、「俺たちが大卒のころは……」と比較して、愚痴をこぼしたくなるのも仕方がないことかもしれません。悲惨な状況を語られることが多い氷河期世代ですが、そのようななかでも藤井さんは順調にキャリアを重ね、ライフステージをあがってきたひとりです。

 

20代後半に友人の紹介で知り合った現在の妻と結婚。3人の子どもをもうけ、2015年、39歳のときに今住んでいる戸建てを購入。4,500万円のローンを組み、30年返済。月々の返済は13万4,000円ほどで、残債は3,000万円ほど。

 

――子どもたちが大学を卒業したら返済スピードをあげて、なんとか60歳定年前には完済したい……目標でした