定年後の選択肢の1つとして、マイクロ起業があります。“好きなことをして自由に稼ぐ”というものです。独学による経営に不安がある人はフランチャイズに加入し、チェーン店を経営するという選択肢もあります。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)から一部を抜粋・再編集し、マイクロ起業で成功するための3原則について解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
商社を早期退職し、お好み焼き屋さんを開店した人も「好きなことを仕事に」を叶える、“シニア起業”を成功に導く「たった3つのルール」【元リクルート社員が解説】
マイクロ起業、「寄業家」として成功する3原則
逆にむしろ、読者のみなさんには、やはりBtoCではなくBtoB、つまりは顧客が企業であるビジネスをオススメしたいと思います。
私のリクルート時代からのメンターである藤原和博氏は著書の中で、「起業家」ならぬ「寄業家」という、実に言い得て妙なキーワードを創作しましたが、まさにそのゾーンの可能性を探ってほしいのです。さらにマイクロ起業、「寄業家」として成功するための3原則を紹介したいと思います。
1. 下請けにならない
そもそも下請けになってしまうと「好きなことを仕事にして自由に稼ぐ」という出発点が揺らいでしまいます。
おカネにならない打ち合わせや提案、見積り、調整、雑務が多くなり、しかも間を抜かれるので、「時給」が著しく低下してしまうのです。
せっかく起業しても業績は元請次第では、心境は会社員時代と一緒になってしまいますので、
できるだけ避けたいものです。
2. 価格決定権を持つ
相手から「〇〇万円でやって」を請けるかどうかではなく、必ず、こちらから見積りを出して検討される体にしましょう。
仕入れが原価のあるビジネスの場合だと、そもそも1人起業では不利になってしまいますので、最初から「この金額でも発注したい」と相手が思ってくれるであろうビジネスを選びましょう。価格決定権を持てるビジネスかどうかを「何をやるか」の判断基準にしてほしいと思います。
3. 継続されやすい
単発で終わらない、継続ビジネスを狙ってほしいと思います。例えば人事制度や仕組みに入るとか、システムの保守を任されるとかのビジネスです。
客単価600万円以上であれば理想的ですし、300万円の仕事、100万円の仕事を数社という組み合わせでも1年の収益の計画が立ちやすいのではないでしょうか。まずは、そうした相場感のビジネスを模索してみてはどうでしょうか。