定年後の選択肢の1つとして、マイクロ起業があります。“好きなことをして自由に稼ぐ”というものです。独学による経営に不安がある人はフランチャイズに加入し、チェーン店を経営するという選択肢もあります。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)から一部を抜粋・再編集し、マイクロ起業で成功するための3原則について解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
商社を早期退職し、お好み焼き屋さんを開店した人も「好きなことを仕事に」を叶える、“シニア起業”を成功に導く「たった3つのルール」【元リクルート社員が解説】
これまでのキャリアを活かせること
ローリスク・ミドルリターンの話をしましたが、そのローリスクの根拠となるのが、あなたのキャリアです。
これまでのキャリアが活かせること、あなたのスキルを活かせるシニア起業をオススメしたいのです。
もっと具体的に表現するなら、「あなたのスキルのマネタイズ」ということになるでしょう。
そのスキルですが、得意分野が3つあれば1人起業しても確実に食っていけるでしょうし、競争力のある強み、圧倒的強みであれば、たった1つの得意分野であってもサラリーマン時代の数倍の収入を得ている人も少なくありません。
偏差値52.5くらいの得意分野が3つあればいい
「得意分野が3つ」というのは、いたずらにハードルを上げてしまっているようにも思えるので補足しておきますと、自身を過大評価している人、過小評価している人のギャップがあまりに多いので、まあ偏差値に例えれば52.5を超えている相対感で大丈夫ということを共有しておきたくて……。
例えば、
1. 設計技術×2. 業界内の人脈×3. 交渉力
1. 新規開拓営業×2. コミュニケーションスキル×3. リテラシー(書く力)
1. 食品営業のスキル×2. 全国の量販店との人脈×3. 営業パーソンの育成
みたいな話で、ご自身の強みやスキルを「掛け算」して商品化するのです。もちろん、強みやスキルが3つ以上あれば、さらに良いですし、そこに何かをリスキリングして加えるのも良いでしょう。スキルのマネタイズは、相対的強みやスキルの「掛け算」からスタートします。
給与生活者としての人生が30年以上の長期間に及ぶと個人のスキルのマネタイズといった回路は未使用な状態ですから、まずはその回路を作動させることから始めましょう。
大塚 寿
エマメイコーポレーション代表取締役