同じような学歴、職歴、役職にもかかわらずシニア転職後に新入社員並みの年収の人と、役職定年前の年収を確保できる人の差はどこでつくのでしょうか。60歳以降の年収には何が大きく影響力するのか、大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)から一部を抜粋・再編集し解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
60歳、定年退職後「新入社員並みの年収」と「役職定年前の年収」の人は、一体何が違うのか<55歳以降のシニア転職>【元リクルート社員が助言】
本人のスキルや能力、人間性の問題ではない
役員や執行役員といった経営陣でなくても、60代になっても50代と同等の収入が得られたら、どんなにか素晴らしいでしょう。
ネット記事や雑誌の記事では連日、「手取り52万円、大企業勤務〈勝ち組部長〉……55歳で給与半減のキビシイ現実に『心もサイフも、ズタズタだ』」(幻冬舎GOLD ONLINE)といった気になる記事が紹介されています。
ついでに言うと、60歳定年によって、その手取りはさらに半減するケースがほとんどです。
にもかかわらず、60歳定年以降、役職定年前の年収で、中堅、中小企業の役員になったり、月20万円程度の役員報酬ながら数社の社外取締役や顧問を兼務したりしている人も一定数存在します。「一定数」という言い方をしたのは、世の中的には少数派と思いますが、私の周りでは少数派ではなく、多数派だからです。
60代の年収、どこで差が付く?
同じような学歴、職歴、役職にもかかわらず、60歳定年後の再雇用で新入社員並みの年収になってしまう人と、役職定年前の年収を確保できる人との差は、いったいどこにあるのでしょうか?
それは本人のスキルや能力、人間性の問題ではなく、キーパーソンの有無と考えるのは私だけではないでしょう。
そのキーパーソンは、かつての取引先かもしれませんし、かつての上司かもしれませんし、はたまたシニア転職エージェントのコンサルタントかもしれません。
ハッピーな転職には必ず、キーパーソンが存在します。周りから見れば、「ラッキー」としか言いようのない転職を果たしたシニアには、必ずキーパーソンが存在していると言っていいでしょう。