年齢を重ねるほど転職活動は不利になるものと考える人もいるかもれませんが、70歳以降も依然として引く手あまたの職種があったり、採用情報を明かしていない潜在的求人企業が多かったり…シニア転職市場にはさまざまなチャンスが眠っています。本記事では、大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)から一部を抜粋・再編集し、55歳以降のシニア転職を勝ち抜く、最強の裏ワザを紹介します。

70歳で売り手市場の職種も…<55歳以降のシニア転職>を勝ち抜く、最強の裏ワザ【元リクルート社員が助言】
60歳以降、事務職より技術者が有利
定年退職以降の経営人材以外の市場価値は、専門性、希少性で決まります。そういう意味では、事務職より技術者有利と言ってもいいでしょう。
もちろん、エンジニアではなくても、財務、法務、総務、特定の海外商務、貿易実務など高い専門性があれば、60歳以降の仕事に困ることはないはずです。
ですので、定年直前、定年準備期に、特に技術者、IT技術者はマスコミの60歳以降の暗い記事に影響されて、悪い冗談のような年収の再雇用を安易に選択してはいけません。
もちろん、技術者といってもコモディティ的な専門性のない技術しかないという自覚があるのなら再雇用がベターかもしれませんが、そうでないなら、自身の市場価格を知ってから判断すべきです。
企業の存亡にも影響が大きい技術者の人手不足
設計、ソフトウェア開発、生産管理、施工、施工管理、保守、メンテなどの分野で技術者の数が足りず、営業の段階で辞退せざるを得ない企業が、山ほどあるのです。
これは、中堅企業、中小企業だけでなく、大手企業の一角も同様で、さらには技術の承継も待ったなしで、30代、40代の層が薄い中で若手が育つまではシニアに踏ん張ってもらわなければ、企業存亡の危機となってしまうのが現実です。
ですから、シニアの技術者には70歳になってもずっと需要があるのです。当然、本人が望めば分野によっては70歳を過ぎても。
IT業界もDX、AIといった最先端の技術者は引く手あまたでしょうし、そこまで先進性はなくても、とにかくすべての企業のDX化推進によってインフラ系、アプリ系ともIT技術者不足は深刻です。
こちらもIT技術者、PM、PLの数が足りずに、入札辞退が頻発しているのです。
さらには、大きな声では言えませんが、月単価が安いシニア技術者のおかげでプロジェクト自体がかろうじて黒字という向きもあるのです。